[試合後会見]2019.12.7
まれに見る流血戦の末に…
一進一退の攻防
 IBF(国際ボクシング連盟)スーパーフェザー級3位、WBO(世界ボクシング機構)アジアパシフィック同級1位の尾川堅一(31=帝拳)が7日に後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」のメインイベントに出場。WBOアジア王者のジョー・ノイナイ(24=比)に挑戦した。尾川は、日本人選手を連続KOしているフィリピンの強豪を相手にベルトを奪うことができたのか――。
決着はつかず…
 世界を見据えた尾川の挑戦だったが意外な結末となった。初回、ノイナイが右フック、左ボディストレートで先制攻撃を仕掛ける。2回は尾川が右カウンターで挽回するが、偶然のバッティングでノイナイが左目上をカット。3回はノイナイのノーモーションの左がヒットするなか、またしても頭がぶつかり、今度は尾川が左眉間を負傷した。4回も頭がぶつかりノイナイは新たに右眉間をカット。ともに出血が激しいなか、5回は一進一退の攻防を繰り広げたが、ノイナイの傷が深くなり試合はストップ。負傷判定の結果、三者三様の引き分けでノイナイが2度目の防衛に成功した。
もう少し続けたかった
 王座を獲得することができなかった尾川は、「相手が前の手で押し込んでくることは想定内だったが、左ストレートの強さは想定外だった。眉間をカットしたが、心は萎えることなく戦えた。ただ、慎重になり単発になってしまった」。「サウスポーとオーソドックスの対戦で頭が当たるのは仕方がないが、もう少し考えて戦わないといけない」と肩を落とした。
何も残らなかった
 続けて、「中途半端に終わってしまった。それまでに仕留められない自分が悪い。ドローは負けより悔しい」と唇を噛むと、「子どもにベルトを獲ってくる約束をしていたのに…」と涙で頬を濡らした。
決着をつけようとノイナイ
 一方、左目上を深く2カ所カットしたノイナイは、激闘の後も生々しいまま取材に応じ、「尾川はパンチが強く良いファイターだが、効いてはいなかった。決着がつかなかったので、6ヶ月後に日本でリマッチしてもいい」と再戦の意向を示した。
採点表