[東京五輪]2019.11.1
八百長採点の抑止で改革に第一歩
「採点自体は現状維持」と渡辺座長
 2020年東京五輪の開催に向け、ボクシング競技のテストイベントが東京・墨田区の両国国技館で29日から実施され、AIBA(国際ボクシング協会)に代わって競技を運営するIOC(国際五輪委員会)のタスクフォースが、採点のモニタリングシステムを報道関係者に紹介。10月31日に行われた決勝戦でも試験的に使われた。
新システムは上級審判員が把握する目的
 これはジャッジがクオリティ・ブロー(有効打)と判断したパンチを瞬時に表示するシステムで、2016年リオ五輪で多発した「八百長疑惑」の判定への対応となる。タスクフォースで座長を務める渡辺守成氏は「公平性を高める採点方法は作れるが、五輪開催が目前に迫ったこのタイミングでルールを大きく変えることは不信感を高めさせる」として、採点はこれまでどおりの10点法(プロボクシングに類似しした採点)を用いる方針と改めて報道陣に語った。
岡澤セオン
 テストイベントでは男子ウェルター級の岡澤セオン(鹿児島県体育協会)が日本勢で唯一の金メダルを獲得した。ガーナ出身の父を持つ岡澤は「陸上のサニブラウン・アブデル・ハキーム選手と同じようにボクシングで快進撃を続けたい」とコメントした。