[試合後談話]2019.5.15
今夜光った選手は?
左:田中 右:高橋
 東日本新人王トーナメント予選が15日に後楽園ホールで開催され、全11試合で激戦が繰り広げられた。第7試合ではフェザー級4回戦でアズマー田中(22=金子)と高橋利之(19=協栄山神)が対戦。両応援団の大声援が送られるなか、開始直後に大きな山場が訪れた。
田中が倒した
 元気よく飛び出した両者だったが、田中が右フックを決め開始12秒で先制のダウンを演出すると、立ち上がった高橋に襲いかかり、左フックを振り抜きダウンを追加した。ここも再開に応じた高橋は強気に打ち合ったが、田中の勢いは止められず。最後は右ストレートでグラついたところでレフェリーが試合をストップした。
エネルギーを溜めて一気に攻めた
 初陣を飾った田中は、「チャンスがあれば倒したいと思い、ペース配分は考えず全開で攻めた。ジャブとカウンターは少しは出せたと思う」と声を弾ませたが、「8オンスのグローブはこんなに簡単に倒れるんだと思った。ただ、パンチに頼り過ぎてしまったので、そこが課題です」と反省も忘れなかった。
 田中は専修大学ボクシング部出身でアマチュア30戦19勝11敗の戦績を残しプロ転向。リングネームの「アズマー」は元世界2階級制覇王者のアズマー・ネルソン(ガーナ)に顔とファイトスタイルが似ていると言われ付けたものだ。田中は、「ネルソンのように知的で野性的なスタイルを目指していきたい。怪我なく勝ち上がり、欲を言えばKOを続けていきたい」と抱負を語った。
瀬戸がKO勝ち
 ウェルター4回戦では瀬戸瑠也(24=川崎新田)と山﨑海知(18=山龍)が激突。ジャブの差し合いから瀬戸が圧力を強めると右ストレートを決めてダウンを先取した。しかし、倒れた相手に加撃してしまい減点2が課せられた。山﨑には休憩が与えられ再開したが、ここでも瀬戸が上回り、右ストレートで顔を弾いたところでレフェリーストップとなった。
倒した右は手応えがあった
 準決勝に勝ち進んだ瀬戸は、「今日で3戦目だったので程よい緊張感で臨めた。相手はパンチが強くてビックリしたが、出すタイミングがわかってきたので右ストレートを打ち込んだ。ガクッと腰を落としたと思ったらダウンしていて手が止まらなかった。相手もパンチがあるので仕留めにいった」と冷静に試合を振り勝った。
 ボクシング歴2年の瀬戸は、「自分はまだ技術が足りない。これから磨いていくが、力でねじ伏せてKOで魅了する選手になっていきたい」と拳を握った。