[前日計量]2019.4.30
時代が俺に追いついた
左:源 右:阿部
 チャンピオンカーニバル注目の好カード、日本フェザー級王者の源大輝(28=ワタナベ)と指名挑戦者で同級1位の阿部麗也(26=KG大和)による日本王座戦の前日計量が、平成最後の30日に都内の日本ボクシングコミッション本部事務局で行われ、源がリミットの57.1kg、阿部が100gアンダーの57.0kgで一発クリアした。試合前から舌戦を繰り広げてきたふたりだが、ギリギリの減量でナーバスな源に対し、タイトル初挑戦の阿部は「新元号の令和とレイヤは響きが似ている。俺の時代になると言うよりも時代が俺に追いついた」と豪語した。
 なお、明日の後楽園ホールでこのメインを含め計6試合で行われる「DANGAN223」は、当日券は先着自由席完売、6千円席残り100枚、8千円・1万円・1万5千円席は若干枚数ありと主催者より発表された。
久しぶりの減量はきつかった
 昨年11月に左足首を骨折し、1月のV2戦を延期した源は久しぶりの減量にやつれ、計量前は口を開くのも辛そうな状態だったが、水分を補給すると幾分ましになったのか、「試合が延期になってから阿部選手のことは恋人ように想っていた。新元号初日の試合、スッキリとした気持ちでリングに上がる」とコメント。挑戦者の前評判が高いことについては、「それだけにモチベーションは高い。不利な予想をひっくり返すのがボクサー。夜はゲン担ぎのすき焼きを食べてしっかりリカバリーする。燃えているし自信はある」と話し、拳に力を込めた。
普通にやれば勝つと阿部
 一方、すでにIBF4位、WBC9位と世界上位ランクを持ち、日本王座は通過点と言い切る阿部は、「やっときた。気負いなく、いつも通りにやっていつも通りに勝つだけ」と源とは対照的にリラックスした様子で答えた。約4ヵ月先延ばしになったことについては「結果的には新元号に変わる5月1日にできて良かった」と笑い、その間にWBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(伴流)と何度かスパーリングを行い、自信になったと話した。
 源に対しては「こっちが一発もらったら勢いづくので厄介だが、中間距離では負ける気がしない。今回は勝ちに徹するが、流れのなかで倒せたら。阿部有利と見てもらっているので、その評価にしっかりと応えたい」と王座奪取を誓った。
明日からはレイヤの時代
 絶対の破壊力と勝負強さで日本の頂点に登り詰めた源が、最強挑戦者を返り討ちにするのか。それともフェザー級屈指のスピードとカウンターを武器に11連勝をマークするサウスポー阿部が源を世界への踏み台とするのか。果たして記念すべき令和初日の聖地・後楽園ホールで凱歌を上げるのは――。