[試合後会見]2018.12.1
Sライト級王座戦は初回に波乱!
上々の滑り出しを見せた挑戦者
 日本Sライト級タイトルマッチ、王者の細川バレンタイン(角海老宝石)vs日本同級10位の稲垣孝(フラッシュ赤羽)が1日、後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ& SLUGFEST.7」のメインイベントで行われた。06年デビューの37歳・細川と03年デビューの33歳・稲垣は、これまで何度もスパーリングで手を合わせ、プライベートでも親交のある間柄だが、両者とも「リングの上で馴れ合うつもりはない」と真っ向勝負を約束。その言葉通り、初回から激しい応酬となった。
細川の容赦ない攻撃を受けレフェリーストップ
 立ち上がり、40戦目の挑戦者が左フック、右ストレートで先制し、細川の入り際をうまく捉えた。上々の滑り出しとなった稲垣だが、多少の被弾をものともしない細川に詰められると、接触時に痛めたのか、内出血した右目を気にする素振りを見せた。すると2分過ぎ、懐に入られたところでアッパーを浴びダウン。ここは起き上がったが、細川のラッシュを防ぎきれずレフェリーストップとなった。
細川が2度目の防衛に成功した
 リング上で稲垣に「ありがとう」と声を掛けた細川は、控室に戻ると「(12年のキャリアの中で)一発で倒したことはあるが、ダウンを奪ってからのラッシュで勝ったのは初めて。33戦目にして普通のKO勝ちができた。やっとボクサーになれた気がする」と喜んだ。続けて遅咲きの王者は、「1ラウンド決着は頭になかった。ガッキー(稲垣)が相手なだけにタフな試合を覚悟していた。あいつの本気度は向かい合って分かったし、怖かった」と戦友への労いも忘れなかった。
来年のチャンカンも必ずクリアする!
 2戦連続のTKO勝ちで2度目の防衛に成功した細川は、来年のチャンピオンカーニバルで12戦全勝(10KO)の井上浩樹(大橋)を迎えることになるが、「この勢いで井上戦に臨みたい。これまでのキャリアをすべて彼にぶつける。2度あることは3度ある」と饒舌に抱負を語った。
力を出し切れなかったことが悔しい
 一方、3度目の日本タイトル挑戦も手が届かなかった稲垣は、「硬さもなく、入りは作戦通りで良かったが目を痛めリズムを崩した。残り4秒、最後のラッシュをしのげれば良かったが仕方ない。力を出し切れなかったことが悔しい」と肩を落とした。
 進退を懸けての大一番だっただけに、川島勝会長も「もう少しやらせてほしかった。ストップが早すぎる。調子が良かっただけに不完全燃焼」と話し、今後についても「今日の出来ならまだやれる。落ち着いてから本人と話し合いたい」と明言を避けた。