[全日本選手権]2018.11.17
東京五輪を想定してあす決勝!
成松大介「過去の五輪を忘れて再来年を見据えたい」
 茨城・城里町の水戸桜ノ牧高等学校・常北校では、来年開かれる『いきいき茨城ゆめ国体』のリハーサルを兼ね、第88回全日本選手権が行われており、今日は準決勝戦が行われた。今月初め、この競技を統括するAIBA(国際ボクシング協会)は、男女平等化に伴った男子の新階級を52kg、57kg、63kg、69kg、75kg、81kg、91kg、91kg超と正式発表したが、それ以前の噂段階から、2020年東京五輪を意識して、選手たちは新階級を想定してきた。
坪井(左)は田中・兄に及ばず
 これまでライトフライ級(49kg)で日本のトップと国際大会への切符を争ってきた坪井智也(自衛隊体育学校)と柏崎刀翔(福井県連盟)は、そろってフライ級(52kg)に転向。柏崎は馬場龍成(自衛隊体育学校)を破った伏兵の坂本達也(近畿大)に勝って決勝に進むが、坪井はプロ世界王座3階級制覇者の田中恒成を弟に持つ田中亮明(中京高校・教)に僅差で敗れた。
国体王者の村田(左)が松本戦へ
 昨年、バンタム級(56kg)で高校生優勝をはたした俊才の堤駿斗(東洋大)は、今回、準々決勝で右手親指の付け根を骨折。不戦勝となったライバルの松本圭佑(東京農業大)は「(堤のことを)強く意識しているので戦いたかったが、友人でもあるので、彼のためにも最後は優勝したい」とコメントした。明日には金子虎旦(日本大)との同門対決をくぐり抜けた村田昴(日本大)との決勝戦が控えている。
木村の意地を森坂がさばいた
 2016年リオ五輪を経験した森坂嵐(東京農業大)は、木村蓮太朗(東洋大)に今まで以上の奮闘を許した準決勝だったが、技巧の安定感で切り抜けた。また、来年は「57kgでのエントリーを予定している」とも明かし、堤らと五輪への道を争っていく覚悟ができていた。
噛み合いづらそうな原田対岡澤は好ファイトに
 今大会唯一の高校生出場だった宇佐美正パトリック(興国高)は原田直樹(東洋大)に封じられて0-5のポイント負け。原田は本命の荒本一成(日本大)を3-2で退けて勝ちあがった岡澤セオン(鹿児島県体育協会)と準決勝で対戦し、岡澤の手が上がった。
細野(右)が中島玲を退けて決勝へ
 明日の組み合わせは次のとおり。NHK BS1では今回、生中継でWBA世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)がゲスト解説を務める。

[ライトフライ級]
重岡優大(拓殖大) vs 長谷部大地(駒澤大)

[フライ級]
柏崎刀翔(自体校) vs 田中亮明(中京高校・教員)

[バンタム級]
松本圭佑(東京農業大) vs 村田昴(日本大)

[ライト級]
森坂嵐(自体校) vs 藤田健児(自体校)

[ライトウェルター級]
成松大介(自体校) vs 秋山佑汰(自体校)

[ウェルター級]
金城大明(自体校) vs 岡澤セオン(鹿児島県体育協会)

[ミドル級]
森脇唯人(法政大) vs 細野恭兵(近畿大)

[ライトヘビー級]
新田隆人(中央大) vs 栗田琢郎(日本大)