[試合後談話]2018.7.24
日本で悲願のベトナム人初勝利
真面目そうな口調だったダオ
 東南アジア屈指の輸出国に成長したベトナムでは、プロスポーツ組織の発足にも関心が高まっており、ボクシングではそれがまだないものの、タイやフィリピン、韓国に遠征して戦うプロボクサーが増加している。きのう東京・水道橋の後楽園ホールで行われた『ホープフルファイト.28』では、尾島祥吾会長(2011年度全日本新人王)が3年前に開設したサムライボクシングジムからダオ・グエン・アン・トン(ベトナム=67.5kg契約)が出場し、日本でのベトナム人ボクサー初勝利となる2回TKO勝ちを収めた。
ダオのグローブを外す尾島会長
「このような光栄な舞台で勝つことができて大変感激しています。機会があったらまた日本で試合をしたいです」
 リング上でそんなコメントを残したベトナム人と共に控え室に戻った尾島会長の表情は、興奮から安堵に変わっていた。
「そもそも私がプロボクサーのセコンド自体、初めてでした。去年の5月に元アマ国内王者グエン・ゴック・ハイ(ベトナム)を連れてきたが引き分けだったので、なんとしてでも、今回こそベトナム人初勝利を挙げさせたかった。彼より僕のほうが緊張していたと思います」
春田智也(セレス)の左目上を裂いた
 2016年11月20日、ベトナムの商都ホーチミンの青年文化会館では『日本–ベトナム ボクシング交流戦』が行われた。今回来たダオはその時にプロデビュー戦を白星で飾れなかった選手だ。尾島会長は「ベトナムは、ホーチミンでも平均年齢が30を超えない現状で若々しい活気があるんです。それをボクシングにつなげられれば」と今後にも意欲的だった。