[ニュース]2011.4.12
実現までの経緯
 パッキャオ陣営は一昨年秋以来、トップランク社を通じて再三にわたって5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米)に対戦交渉を持ちかけていた。一時は2010年3月あるいは5月に実現寸前まで話が進んだが、ドーピングの方法などを巡って交渉は決裂。
 そのためパッキャオは2010年3月にジョシュア・クロッティ(ガーナ/米)を相手にWBO世界ウェルター級王座の防衛戦を行い、11月にはアントニオ・マルガリート(メキシコ)とのWBC世界スーパーウェルター級王座決定戦に臨んだという経緯があった。パッキャオはいずれの試合とも判定勝ちを収めている。
 一方のメイウェザーは昨年5月にシェーン・モズリーとの“スピード対決”に勝利。しかし、以降、再びブランクをつくってしまう。
 その間に割って入ったのがモズリーだ。メイウェザーに敗れた後、早々と9月に戦線復帰を果たしたモズリーは、パッキャオを擁するトップランク社と犬猿の仲にあるゴールデンボーイ・プロモーションズを離れ、自らトップランク社と交渉。今回の対戦に漕ぎつけたのである。
 こうして実現することになったパッキャオ対モズリーだが、当初はHBOテレビによってペイ・パー・ビュー(PPV)放送される予定だったが、後にライバル社ショータイムが逆転で放送権を掴んでいる。
 ボクシングもスポーツ・ビジネスとしての一面を持つ以上、様々な権利に関する争奪戦は避けられないところ。戦いはリングの中ではないのである。