[ニュース]2011.4.9
粟生記者会見
粟生の初防衛戦
 WBC世界スーパーフェザー級の初防衛戦に臨んだ粟生隆寛(帝拳)と挑戦者・ウンベルト・グチェレス(メキシコ)が、試合後に記者会見を開いた。
粟生の会見
 笑顔で控室に戻った粟生は、喜びのなかにも拍子抜けした様子をうかがわせていた。やはり相手がコンディション調整の面で十分ではなかったことが気になっている様子だった。「初防衛に成功したからといってチャンピオンだとは思っていない。今後、しっかりしたチャレンジャーに勝ってチャンピオンであることを証明していきたい」と答えた。
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 作戦については、ボディブローを狙っていたことを明かした。「メキシカンの多くがそうするように、相手の懐に潜って打つボディブローを狙っていた。(4ラウンドのKOパンチは)繊大さん(田中繊大トレーナー)から『左だけではなく次は右のボディブローを打ってみようか』と言われて打ったパンチ。骨も何もないところに当たったので感触は大したことなかった。KO勝ちとはいっても、なんか拍子抜けの感じ。もっと早く終わらせることもできたかも。でも倒せてホッとした」。
 過去4度の世界戦のうち3試合でダウンを奪いながらフィニッシュを逃してきたが、5度目にして完璧なKO勝ち。もう一段上のステージに上がった感がある。
試合後のグチェレス
 挑戦者のグチェレスは、開口一番「(ダウンを奪われた)あの一発までは良かった。調整も巧くいっていたので残念です。」と淡々と答え、ダウンの瞬間について「ロングフックを打ったところで、ものすごいパンチが胃に入ってきた。立ち上がろうとしたけど、誰も耐えきれないグレートパンチだった。」と振り返り、負けに関しては「いいわけはしない。彼はグレートなチャンピオンだ」と王者粟生を称えた。
 話題が、試合前日の計量前に切った髪の毛に変わると、「みんなが似合うって言うんなら、このままにする。」と記者団の笑いを誘った。
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