[試合後会見]2017.11.4
藤本京太郎 世界への扉は開いたのか!?
京太郎が攻める
  日本を合わせアジア・ヘビー3冠を保持する藤本京太郎(角海老宝石)が4日、後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」のメインで、OPBF東洋太平洋とWBOアジア・パシフィック王座の防衛戦に臨んだ。挑戦者は身長193cm、体重106kgと恵まれた体躯を持つ同級4位のランドール・レイモント(豪)。WBOで世界ランク7位に入る藤本は、自身より二回りは大きい巨漢を相手に、来年にも期待される日本人初のヘビー級世界挑戦をアピールすることができたのか――。
ランドール・レイモント
 総合格闘技出身のレイモントは、両脇を広く開けた異様なファイティングスタイルでプレスをかけると詰めては強打を繰り出すが、パンチはパワー頼みのスイングのみ。同じ総合出身ながら足を使ってのボクシングをする藤本とはあまりにも対照的だった。藤本は序盤こそやりにくさを感じていたようだが、ジャブ、ワンツーでヒットを奪い続け、4回終了時の採点で39-37×3とリードした。すると続く5回、藤本は返しの左フックで挑戦者に鼻血を出させると、ここから右も効かせチャンスメイク。さらに右ストレートを振り抜きレイモントの体を泳がせ、再びの右でフィニッシュした。崩れ落ちたレイモントは辛うじて立ち上がったが、足が震え、続行を危険と判断したレフェリーに10カウントを数え上げられた。
リング上からアピール
 挑戦者を寄せ付けず5回KOで快勝した藤本は、リング上のインタビューで「ヘビー級で世界戦のリングに上がると決めてボクシング界に転向したからには、必ず世界戦まで辿りつく。もう少し僕のボクシング人生につき合ってください」とファンに世界戦をアピールした。
10カウントを聞いたレイモント
 敗れたレイモントは控室に戻り、「ボディは1~2発効いただけだったが、最後にもらった右は効いてしまった」とガックリ。それでも藤本がターゲットとするWBO王者のジョセフ・パーカー(NZ)に通用するかの問いには、「やってみないとわからないがミスマッチではない。チャンスはあると思う」と気丈にエールを送った。
いよいよ来年前半にも世界挑戦!?
 意気揚々に控え室に戻った藤本は、「思いのほか相手の懐が深くやりずらかった。不甲斐ない面はあったが倒せて良かった。任されたメインをしっかりと締めることができた」と喜び、「世界戦ができるのなら敵地でも構わない」と次戦での挑戦を希望。これに鈴木眞吾会長は「先日のWBO総会ではすでに日本で開催するような話になっていた。パーカー側も日本でやりたいと言っている」と明かし、「条件などの問題はある」としながらも来年前半、日本での開催に前向きな姿勢を示した。いよいよ現実味を帯びてきた日本人初のヘビー級世界挑戦。角海老陣営の動向から目が離せなくなってきた。