[試合後談話]2017.10.16
新鋭対決はダウン応酬の大激戦
スリリングな展開へ
 16日に後楽園ホールで開催された「DANGAN197」ではA級&B級トーナメントがスタート。メインイベントではA級トーナメント予選スーパーフェザー級6回戦で三代大訓(22=ワタナベ)と仲里周磨(21=ナカザト)が対戦。両者とも鋭いジャブの差し合いを見せ白熱の攻防を繰り広げた。アンダーカードではアマチュア62戦のキャリアを持つ金澤宣明(23=ワールドスポーツ)のデビュー戦が行われた。
勝者、三代大訓
 三代がジワジワと距離を詰めて左ボディ、さらに右ストレートを好打しペースを掌握。2回も三代のジャブが機能しワンツーを決めた。3回、ボディを効かされ劣勢の仲里だったが、右ストレートが命中。起死回生のダウンを奪った。4回、ダメージの残る三代だったが、ジャブで立て直しを図るとラウンド終盤に右のオーバーハンドでダウンを奪い返した。その後は両者とも一歩も引かない打撃戦を展開。三代の有効打が勝り試合終了のゴングを聞いた。採点は3者ともに三代を支持し無敗対決を制した。
生命線はジャブだと三代
 デビューからの連勝を4に伸ばした三代は「ダウンを奪った右フックはアップの時からキレていたパンチ。ダウンしたが、インターバル中にセコンドからジャブを突いて距離を戻せというアドバイスで立て直すことができた。強い選手に勝てたのはうれしい」と白い歯を見せた。来年1月13日に日本同級6位の正木脩也(帝拳)と決勝戦を争う三代は「ランカーに勝ってスーパーフェザー級戦線に割り込みたい」とさらなる飛躍を誓った。
相手は落ち着いていた
 一方、8戦目で初めて苦杯を喫した仲里は「ダウンを奪った右はまぐれで当たっただけ。出入りのボクシングをしたかったが、相手の距離になってしまった。思い通りにやられてしまった」と肩を落とした。
左:金澤宣明
 高校選抜、インターハイを制し、東京農業大学ボクシング部出身の金澤は水谷直人(28=KG大和)とB級トーナメント予選バンタム級5回戦で激突。初回は静かな立ち上がりとなったが、2回、金澤は右ストレートから連打で攻勢。しかし、偶然のバッティングで水谷の右目上、前頭部から出血。これ以上の試合続行が許されず規定のラウンドに達していないため引き分けとなった。トーナメント特別ルールにより優勢点を得た金澤が決勝戦に進んだ。
憧れは元世界王者の徳山昌守さん
 不完全燃焼で試合を終える形となった金澤は「2ラウンドに右が当たりこれはいけると思っていた矢先だったのですが…。大学リーグ戦で後楽園ホールのリングには慣れているつもりだったが、緊張してジャブが出なかった」と苦笑い。
 昨年7月の試合を最後にリングから離れ、就職活動をしていたが、ボクシングへの情熱が再燃。今年4月にワールドスポーツジムに入門しこの日を迎えた。一度でも負けたらボクシングを辞める覚悟だという金澤は「いきなり引き分けてしまったが、無敗で世界までいきたい」と抱負を語った。