[試合後会見]2017.10.7
末吉大と高畑里望がベルトをかけて対戦
末吉の拳がめり込む
 7日に後楽園ホールで開催された「第566回ダイナミックグローブ」のメインイベントでは日本スーパーフェザー級王座決定戦、同級1位の末吉大(26=帝拳)と同級2位の高畑里望(38=ドリーム)が激突した。試合は38歳でタイトル初挑戦となった高畑がジャブを伸ばして積極的な攻撃を仕掛けた。
新王者誕生
 緊張から動きの固い末吉だったが、2回から得意のジャブを決めると右ストレートをヒット、4回には右フックで膝を揺らした。ポイントを取られた高畑は5回、左ボディ、ワンツーを決めて挽回。前半終了時の公開採点は48-48、48-47、49-46で末吉がリードした。中盤以降は一進一退の攻防を繰り広げたが、末吉の右ストレートが見栄えが良くポイントをピックアップした。10回、高畑は果敢に前に出て打ち合いに出たが、末吉の巧みなディフェンスに決定打を奪うことはできなかった。最大6ポイント差を付けた末吉が新王者に就いた。
相手の懐が深くてやりずらかった
 13連勝でベルトを獲得した末吉だったが控室では笑顔は少なかった。「3ラウンドから良いペースになってきたが、もっとパンチを決めたかった。相手に合わせてしまう悪い癖が出た。尾川さんが持っていたベルを獲れたのはうれしいが、反省の方が多い」。「もっと手数を出してアグレッシブに攻めたかった」と最後まで反省の弁が続いた。
左ボディが遠かった
 一方、中盤に失点し涙を飲んだ高畑は「要所要所で対応はできていたが、相手が上手く3発目を当てさせてくれなかった。思ったより差はないと感じた。あと少し、その少しが大きいのかな」と唇を噛んだ。38歳でも伸びしろがあると語った高畑は「今回がラストチャンスだと思ってやってきた。今は映像を見直して反省したい。それから今後どうするかを考える」と進退への明言は避けた。
荒川仁人(ワタナベ)
 この試合を観戦したWBOアジアパシフィック・ライト級王者の荒川仁人(35=ワタナベ)は「初回は高畑選手が良かったが、2ラウンドから末吉選手がアジャストしていった。採点は98-92で末吉選手。ただ、高畑選手の諦めない姿勢を感じた。末吉選手のディフェンスは一級品でパンチもほとんどもらっていなく素晴らしい戦いぶりだった」と感想を口にした。
採点表