[引退後のボクサー]2017.1.27
家族のために働ける幸せ
戎岡淳一氏(36=明石→引退)
 不定期でお届けしている引退後のプロボクサー達のセカンドキャリア特集、第二弾は戎岡淳一氏(明石→引退)をご紹介しよう。元WBC世界ライトフライ級12位で2年前に48戦23勝(10KO)19敗6分の戦績を残して引退した戎岡氏は、引退後1年間熟考を重ねて、ちょっとユニークな飲食店「BOXING BAR ねばーらんど」を地元の兵庫県明石市に昨年オープンした。
戎岡淳一氏
 2015年7月、52.6kg契約8回戦で森崎正人(アポロ)と対戦し2ラウンドKO負けを喫し引退の決意を固めた戎岡氏。「あの試合は最初から最後までほとんど記憶がないんですよ、危険なスポーツですし、その前の試合でもKO負けしましたから、もうこれ以上はできないと思いました」と引退の理由を語った。「満足です。正直、本当にやりきった気持ちもありますね、運動神経の悪い、鈍臭い僕が本当によくここまでやれたと思います。人に隠れてよく練習もしましたからね。自分で自分を褒めてやりたいくらいです」とボクサー人生を振り返った。
山田錦ビールを生で飲めます
 「引退して1年間、これからのことをいろいろと考えて、自分にしかできない新しいことをしようと思ってボクシングとバーをくっつけて、ここをオープンすることにしたんです。ボクサー時代のスポンサーになってくれていた方々からいろんな商売の話をいただいたのですが、自分で何かを作り出したいと思いました」と店のオープンまでの経緯を話した。今年、結婚した戎岡氏は「現役中はボクシングに全てを捧げていたので結婚する気はなかったんです。今は子どもも出来て、彼ら(家族)のために働ける。それは本当に幸せなことだと思っています」と新たな人生をスタートさせた。
悩んだら是非店に来て欲しい
 店内には小さなリングとサンドバッグを備え付けた。「時間があればお客さんにもボクシングレッスンしているんですよ。ボクシングってどんな感じなんか知ってもらって一人でもボクシングファンができたら嬉しいですし、お客さんも喜んでくれます」と変わらぬボクシング愛を語る戎岡氏。これからの引退していく後輩に「ボクシングであれだけ苦しい練習に耐え抜いたんですから。一生懸命やりきったんならなんでもできますよ。信じる力です。周りや、自分を信じてやって欲しい。迷ったり悩んでいることがあったら、別にお酒を飲まなくても良いので、うちの店をのぞいて欲しいですね」と後輩にエールを送った。
BOXING BAR ねばーらんど
◾BOXING BAR ねばーらんど
住所:兵庫県明石市松の内2丁目6-3マホロバビル1F
(JR西明石駅より徒歩5分)
電話:080-4700-0110
営業時間:19時ー22時
☆明石の地ビール「山田錦ビール」が生で飲めます。  
JR西明石駅から徒歩5分