[引退後特集]2016.10.30
ボクシングの素晴らしさを感じる
左:芹江氏 右:尾島氏
 元日本スーパーバンタム級王者でタイトルを6度守り名王者として名を馳せた芹江匡晋(33=伴流ジム→引退)。しかし、今年5月に判定負けしたのを最後にグローブを吊るした。
 元日本チャンピオンが歩み始めた第二の人生、そのスタートはベトナムで切ったことがわかった。仕事の合間には、ベトナム人選手のスパーリングの相手を買って出ることもあるという芹江は異国の地で精力的な毎日を過ごしている。
ベトナムのアマチュア選手とスパーリング
 東洋太平洋タイトルに挑戦するまで日本王座を6度防衛したこともある芹江は現役時代、曲者としてファンを魅了し続けた。腋をしめて両腕は下まで垂らさず、グローブの位置を胸の高さに保ったまま横に開いた状態で斜に構え、独特のリズムで体を上下に揺らしてタイミングを計り、相手がスキを見せると迷わず中間距離から一気に踏み込むという、独特のスタイルは賛否もあったが、斬新だったことに変わりはない。
2016.5.12ラストマッチ
 芹江は今、ホーチミン市にいる。芹江が引退を決意した直後に、ベトナムで会社を立ち上げた知人の誘いで異国の地にやってきた。滞在しているマンションの近くには、2011年全日本バンタム級新人王の尾島祥吾氏(29=川崎新田ジム→引退)が設立したサムライボクシングジムがあることを知り、同ジムで体を動かしながら時間が合えばスパーリングの相手を務めるそうだ。「ボクシングから少し離れて戻ってみると素晴らしさ、気持ちよさを身に染みて感じている。今後、もしかすると(ボクシングを)教えることがあるかもしれないですね」と将来の展望を語った。