[試合後会見]2016.8.7
大阪で日本と東洋太平洋戦
大内と拳四朗
 大阪市内のエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第2競技場)で7日、「DANGAN165」が開催された。メインイベントでは日本ライトフライ級王者の拳四朗(24=BMB)が日本同級5位、東洋太平洋同級2位の大内淳雅(30=姫路木下)を迎えて2度目の防衛戦、さらにこの試合は空位になっている東洋太平洋同級王座も兼ねたビックマッチとなった。序盤から距離のかみ合った両者は、序盤から激しい打ち合いを見せた。
親子で東洋太平洋獲得
 試合は、序盤に大内の距離で試合をした拳四朗が、大きな左を被弾したがジャブで立て直し、4ラウンド終了時点の採点は2ポイント差をつけてチャンピオンがジャッジ3者の支持を集めた。
 徐々に自身の距離に相手を引き込んだ拳四朗は、ガードをうまく使って大内にボクシングをさせない。すると8ラウンド、京都の新鋭が放ったカウンターが決まり大内がダウン。ここは立ち上がった大内。乱打戦へ持ち込むが細かく足を使うチャンピオンについていけず。8ラウンド終了時点での途中採点は3者が最大7ポイント差をつけ王者を支持。そのまま試合をコントロールした拳が日本タイトルを防衛、さらに東洋太平洋同級タイトルを戴冠した。
拳四朗(24)
 試合後、拳四朗は「前半は焦ってしまいましたね。効いたパンチも2個くらいあります。セコンドに帰って自分の距離でボクシングしろと言われて冷静になれました。今日はいろいろなことを学びましたね。反省の多い試合です」と腫らした左目下を気にした。「チャンスがあるならやりたい」と世界挑戦の機会を待つ拳四朗(BMB)。京都の親子鷹に期待したい。
左:寺地永会長
 会見に同席した拳四朗の父、BMBジムの寺地永会長は「今日は前半のあのまま乱打戦だったら、嫌な展開になっていたと思いますが、なんとか距離を作って切り替えてくれたので良かったですね。これで世界も近づいたと思いますので、プロモーターと相談しながらチャンスがあれば年内、遅くても来年には世界戦ができる状態にしたいですね」と頂点に向かってカウントダウンを始めた。一方で「スピード、パンチ、タイミングと向上できる余地がある。これからも精進していきたい」と修正点を確認した。
 日本人選手が世界を牽引するライトフライ級は、今月末にはWBA世界戦でチャンピオンの田口良一(ワタナベ)に元ミニマム級世界王者の宮崎亮(井岡)が挑む。大橋ジムにはIBFの世界チャンピオン八重樫東がいる。ミニマム級から階級を上げてきた日本人最速世界チャンピオンとなった田中恒成(畑中)の動向も気になる。各選手のファンが見守る中、年末恒例の世界戦祭りの組み合わせが本格化するのか、期待したい。