[一夜明け会見]2016.4.28
河野&田口、防衛も嬉しさ半分
V3防衛に成功した田口と河野
 昨夜のWBAトリプル世界戦から一夜明けた28日、ともに3度目の防衛に成功したライトフライ級王者の田口良一(29)とスーパーフライ級王者の河野公平(35)が所属先のワタナベジムで会見を開いた。
 田口は元世界暫定王者から5度のダウンを奪い11回終了TKO、河野も判定ながら3度のダウンを奪い、ともにワンサイドで完勝したが、メインのスーパーフェザー級スーパー王者の内山高志(36)がまさかの2回KO負けを喫し12度目の防衛に失敗。3人が揃うことのない会見は、重いどんよりとした空気の中で行われた。
28日の一夜明け会見
 河野は「内山さんが負けてしまったので素直に喜ぶことができない。僕は内山さんに引っ張ってもらいここまでこれた」と話し、田口も「試合後に防衛あめでとう、(負けて)ごめんなと声を掛けられ、なんて言っていいのか言葉が見つからなかった。正直混乱しています」と沈痛な顔。この二人にとって内山の存在がいかに大きかったかという何よりの明かしだ。なお、試合後に内山と連絡を取った人物によると、自分が顔を出せば二人のお祝いムードに水を差すと言っていたとのこと。
内山あってのワタナベジムだと実感した
 渡辺均会長も「内山あってのワタナベジム。今はお疲れ様と言いたい」とジムの看板を労い、「ジムはこれから出直さなければならない。河野と田口にはこれからも頑張ってもらいたい」と言葉をかけた。
7月に挙式を予定
 試合を振り返り河野は、「何度もラッシュをかけたが、相手には気持ちがあってタフだった。倒せなかったことは納得がいっていない」と課題を口にしたが、以前に比べ足を使って組み立てることができたのは収穫とし、まだまだ伸びていると語った。また、今夏には遅らせていた結婚式をあげると明かし、ボクシングとはまた違う戦いが待っていると苦笑いを浮かべた。今後については、「周囲への感謝の気持ちを忘れずに防衛を続ける。誰とでも戦う」と気持ちを新たにしていた。
ツヨカワとかもうどうでもいいです
 田口も序盤は身体に固さがあったが、中盤以降は足を使う自分のボクシングができたとまずまずの自己評価。今後については、「国内、海外にまだ強い選手がたくさんいるが、その中で目立っていきたい」と話した。河野、田口のプランについて渡辺会長は、「河野については夏と大晦日が理想。レックス・ツォー(中国)とやらせたいが、どうやら向こうは乗り気じゃなさそう。指名試合ならば1位のルイス・コンセプション(パナマ)が有力。田口は国内からオファーがきているのでそれは大晦日じゃないかな。こっちがチャンピオンだから東京でやらせたい」とコメントした。
大きすぎる内山の存在
 内山不在のなかで防衛戦をすることについては、昨年海外戦を経験した河野は問題ないとしたが、14年大晦日の世界奪取戦から数え、4度同じリングに上がった田口は、「僕一人では大きな会場は埋まらないので後楽園ホールでやりたい」と戸惑いを見せていた。