[ニュース]2010.9.26
大毅、坂田下し初防衛
左:大毅 右:坂田
 WBA世界スーパーフライ級王者・亀田大毅(亀田)の初防衛戦が元WBA世界同級王者、現同級5位・坂田健史(協栄)を迎え25日、東京ビックサイトで行われた。
 序盤こそ元王者・坂田のジャブ・左ボディにペースを奪われかけた現王者・大毅だったが、中盤から逆にプレスを掛け坂田の手数を押さえ込み、左フック・右ストレートをヒットさせポイントを挽回。終盤には手数・クリーンヒットで坂田を上回り、大毅が判定3-0(116-112、117-112、118-110)で王座初防衛に成功した。
 試合後、両者は歩み寄り、過去の因縁を洗い流すかように互いの健闘を称えあっていた。
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 試合後、王座返り咲きに失敗した坂田が両目上に絆創膏を張って現れ、金平会長・大竹トレーナー同席の元、会見を行った。
 まず現在の心境に坂田は「負けてしまったんだなと…。今までで最高のコンディションが作れ、その状態でリングに上がったが、残念です」と無念の表情。ジャッジを聞いた瞬間は「一生懸命やったが、結果がついてこなかった。声援はありがたい。今日まで頑張って来れたのも、苦しい練習にも耐えられたのも声援のお陰」と語り、坂田はこれまでのファンの応援に感謝を述べた。
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 王者・大毅の印象について坂田は「パンチはある。上手く研究された。後半、足を使い距離を取る展開を変えたかった」と話すと、大竹トレーナが「坂田の良さを殺された。相手は研究していた。私のスタイルで捕まえられると思ったが読みが甘かった」と完敗を認めた。また、金平会長が試合を振り返り「8ポイント差は無いと思うが…。競っていると感じた。こっちは取りに行く立場だがシッカリと取ったラウンドがなかった。ジャッジに異論はない。坂田はこれまでずっと戦って来た。まずは休ませてあげたい」とし、坂田の今後は本人に任せるとコメントした。
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 最後に坂田は「期待をかけ、応援してくれた人達を裏切ってしまった。申し訳ないです。今後についてはゆっくりと考えたい」と進退の明言を避けた。
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 坂田に続き、初防衛に成功した王者・大毅が兄・興毅と会見を行った。まず今の心境に大毅は「結果は満足しています。判定を聞いて嬉しかった」と素直に初防衛を喜び、兄・興毅も「プレッシャーの懸かる中、良く防衛したよ。大毅はいいボクシングをした。練習ではもっと強い。本番でもっと力を出して欲しい。だけど最高の結果が出て、また勉強が出来るのは良いこと」と大毅の初防衛を称えた。
 プレッシャーはなかったかと尋ねられた大毅は「ないよ。100%ではないが、身体も良く動いた。勝てたのは家族のお陰」。次の目標については「俺はお兄ちゃんみたいに2階級とか3階級制覇は考えていない。自分の戦い。自分のボクシングをしたい。結果には満足しています。次も頑張るので応援して下さい」と語り会見を終えた。
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 "運命の一戦"を制し、初防衛に成功した王者・亀田大毅には、次なる戦いが待ち構えている。暫定王者ルイス・コンセプシオン(パナマ)に前王者デンカオセーンが挑み、この勝者との王座統一戦が義務づけられているのだ。大毅の防衛ロードは、更なる険しさを増す!