[試合後談話]2016.2.18
衝撃の結末
初回から盛り上がりをみせた
 17日、後楽園ホールで開催された「ガッツファイティング」のアンダーカード、Sフライ級8回戦、同級9位・山下賢哉(19=古口)対2012年の全日本新人王・長嶺克則(24=マナベ)は試合前からヒートアップ。初回から激しい攻防となり早くも山場が訪れた。
 初回、11ヶ月ぶりのブランクの影響からか動きの硬い長嶺に山下が積極的に攻撃を仕掛けると右ストレートを決めてダウンを先制。しかし、ダウン後の加撃により減点1となった。2ラウンドも山下が攻勢。守勢を強いられた長嶺だが、右アッパー、ストレートで反撃。そして迎えた3ラウンド、長嶺は右ストレートで腰を落とした山下に打ち下ろしの右をトリプルで決めて痛烈なダウンを奪い返した。何とか立ち上がろうとした山下だったが、セコンドからタオルが投入。網膜剥離から2度目の復活となった長嶺が逆転KO勝ちでランキング入りを濃厚とした。
やったぞという長嶺
 勝ち名乗りを受けた時は興奮状態の長嶺だったが「初回のダウンはうっかりもらってしまったが効いていなかった。ただ余裕はなかったからもっと力を出したかった」と冷静に試合を振り返った。「最初にダウンを奪われていたので、どこかで奪い返さないとと思っていた。ダウンを奪った右は手応えがあった」。久しぶりのランキング入りが濃厚だが「うれしいし安堵感もある。俺がスターだぞと再確認した」と声を弾ませた。今後について長嶺は「今回、ノーランカーの僕を選んでくれた山下選手をリスペクトしている。僕も常に強いと言われる選手と試合をしていきたい」と早くも前を見据えていた。
木村がスピード差を生かした
 セミファイナルはSフライ級のランカー同士による対戦。序盤は同級4位の白石が攻勢を仕掛けたが、同級12位・木村は左右のアッパーを皮切りに反撃。スピードの差を生かしてポイントを稼いだ。しかし、中盤以降は両者とも決定機を作ることができず試合終了のゴングとなった。判定は1~3ポイント差で木村を支持。木村が上位ランカーの白石を破った。
もっとアピールする試合をしていく
 快勝の木村だが「めちゃめちゃ悔しい。圧勝したかった。もっとゴリゴリ前に出てくるのかと思っていたので逆にやりにくかった。もっとできるところをアピールしたかった」とまるで敗者のように反省の弁が口を突いた。「今後はインファイトも出来るようになり倒すボクシングをしていきたい。まだまだ課題は多い」と気を引き締めていた。