ゼビオアリーナ仙台で開催されるエキサイトマッチスペシャルでWBC世界スーパーフライ級王者のカルロス・クアドラス(メキシコ/帝拳)に挑む同級2位の江藤光喜(白井・具志堅)は「やっときたか、という感じです」と会見慣れしていない様子で世界挑戦を喜んだ。「WBCのベルトは一番かっこいいので欲しい」と話すと「パッとした印象はないけど、打ち合いもできるし足も使える総合的に強い選手。ズルさもある戦い方が上手い」とチャンピオンの印象を語った。試合のカギは自身の右にあるという江藤。「双子の弟がスーパーフライ級でやっているのを見ているのでパワーにも不安はない」との見解を口にした。「相手にパンチを当てて、相手のパンチをかわす練習をする」と気合を入れた。

　同じ沖縄出身の江藤の会見を笑顔で見守った帝拳ジム浜田剛史代表は「江藤君の話はよくわかる。自分も(現役時代)口は下手でも腕で勝てと言われてた」とエールを送った。

　ダブル世界戦もうひとつの注目カードは、木村悠(帝拳)が挑むWBC世界ライトフライ級のベルト。「ボクシングを始めた頃からの夢の舞台。ワクワクしている」と話すと「生でも観戦したことがあるが、好戦的でボディ打ちも上手くバランスのとれた選手」とチャンピオンのペドロ・ゲバラ(メキシコ)の印象を語ると「体力もついてコンディションも保っている。自分のボクシングができるように心掛ける。リングの上でベルトを巻いているイメージをしています」と意気込みを語った。

　スペシャルマッチ10回戦のリングでリベンジを狙う粟生隆寛(帝拳)の静かな闘志は見逃せなかった。三年前にベルトを奪われた記憶が蘇ったのだろう。「あの時の僕は本当の僕ではなかったことを証明する。KOで勝つ」。前WBC世界スーパーフェザー級王者、ガマリエル・ディアス(メキシコ)へのリベンジを誓った。