[試合後談話]2015.10.1
下剋上続きのホール
浪速のターミネーター矢田良太の左がめりこむ
 30日、後楽園ホールで行われた「ダイナミックグローブ」のアンダーカードは日本ランカーvsノーランカーの対戦が続いたが、ランカーが軒並み敗れる波乱の結果となった。
ストップの直前シーン
 第3試合に出場した日本ウェルター級7位・糸山良太(30=角海老宝石)に関西からの刺客、矢田良太(26=グリーンツダ)が挑戦。5連勝の勢いそのままに矢田が初回からプレスをかけて右ストレートを決め先制。さらにボディにもパンチを集め、ペースを掴んだ。糸山も負けじとボディを返し反撃に転じたが、矢田は真っ向から応戦。7回にコーナーに追い込み、右ストレートを何度も叩き込むとレフェリーは迷わず試合を止めた。
矢田良太
 ランカー初挑戦、しかも敵地後楽園ホールのリングで殊勲の勝利となった矢田の控室は喜びに包まれた。「糸山選手は強かった。ランカーの意地を感じ、途中で心が折れそうになったが自分のワンツーを信じて打ち続けた」と勝因を語った矢田。「1か月前にオファーが来たが、東京で名前を売りたかったので即答した。浪速のターミネーターを覚えてください! チャンスがあればすぐにでもチャンピオンに挑戦したい」とアピールも忘れなかった。
家族
 第4試合は、日本フェザー級4位・緒方勇希(31=角海老宝石)にかつて4度のタイトル挑戦経験があるベテラン、上野則之(33=RK蒲田)が挑んだ。序盤、得意の左フックでポイントを稼いだ上野に対し、緒方は下がりながら右ストレートを返しポイントを挽回。その後は一進一退の攻防が続いた。判定は割れたが、2者が上野を支持。1年4ヶ月ぶりの勝利とともに涙のランカー返り咲きを濃厚とした。
背水の陣で臨んだ試合だった
「(緒方は)パンチが当たらないと聞いていたが、本当に当たらなかった。最後のラウンドも取られたと思うし判定は自信がなかった。最後は神頼みだった」と素直な胸の内を明かした上野。「負けたら迷いなく引退と決めていたので、勝って今後を考える道が開けた。それにしても久しぶりの勝利はうれしいですね」と顔には満面の笑みがこぼれた。