[ニュース]2010.7.4
松田、初防衛も笑顔なし
左:松田 右:蘇
 3日、後楽園ホールで行われた東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦「王者・松田直樹(帝拳)VS挑戦者・蘇晶錫(韓国)」の一戦は、挑戦者・蘇の粘りもあり判定にもつれ込んだが、右ストレートを的確にヒットさせた王者・松田が苦しみながらもV1防衛に成功した。
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 苦戦を強いられながらも初防衛に成功した王者・松田直樹。控室の会見で帝拳ジム長野マネージャーが王者の異変を明かしてくれた。「実は腰を1週間前に痛めて、疲れが溜まっていたと思います。何とか治ったが、練習が出来ず調整が完全ではなかった。リングに上がれるか心配でした」と松田の不調の原因を話してくれた。大和トレーナーも「最後の1週間(松田)は全然動けなかった。ウエイト調整も完全ではなく、良く戦ったと思う。(勝てて)良かったです」と安堵の表情。
松田直樹
 ここで王者・松田が初防衛戦を振り返り「上を狙う戦いをしたかった。格下といえど油断大敵と考え追い込みすぎた。今は痛みはないが不甲斐ない。試合は右ストレートを3、4発当てて左フックに行きたかったが狙ってしまった。練習の成果が出なかった。自分の不甲斐なさを悔やむばかり。次はスッキリした試合をします」と初防衛にも最後まで笑顔は見られなかった。
 腰の負傷を押し、初防衛に成功するも終始うつむく松田。笑顔なき防衛も更なるステップを目指す上で、きっと貴重な経験となるに違いない。ボクサーとして“円熟期”を迎えた東洋太平洋フェザー級王者・松田直樹は、確実に世界への道を前進している。