[公開練習]2015.6.24
兄の記録は意識しない
初戴冠へ
 7月6日(月)後楽園ホールのメインイベントでOPBF・Sフライ級王座決定戦に出場する同級1位・井上拓真(19=大橋)が24日、横浜市内の所属ジムで公開練習を開いた。
 自身初の王座獲得に王手をかけた拓真は日本Sフライ級8位・鈴木悠介(27=八王子中屋)相手に軽快な動きを見せ、順調な仕上がりを披露した。
拓真の挑戦
 練習前の会見で拓真は、「はじめてのメインイベントであり、タイトル戦なので試合をするのが楽しみで仕方がない」と現在の心境を話し、「(体重は)あと4kg弱です」と順調にきていることを強調した。今回は勝ちに徹して流れによってはKOを狙っていきたいとした拓真。相手のヘラルドについて「力強い選手。ノーモーションの左ストレートに注意したい」と警戒を強めていた。
サウスポー対策にも余念なし
 会見に同席した大橋秀行会長は「5戦目でのタイトル挑戦になるが、キャリアが少ないという印象もないし今回の試合に関しても心配していない。拓真は(兄の)尚弥にない面を持っている。そこに期待していてください。」と拓真の成長に目を細めた。担当トレーナーであり父の井上真吾氏は「前回の試合は悪い意味で慎重になりすぎた。今回はいかせるところはしっかりいかせる。」とし、「相手は攻撃的でタフだが拓真の力強さをみてほしい。体作り、特に足腰を重点的に鍛えた。前進剥きだしの良い部分を見せれたら」と仕上がりの良さをアピールした。
兄は意識せず
 スパーリングではヘラルドと同じサウスポーの鈴木と3ラウンド行った。鈴木の連打に慌てることなくガードでブロックして被弾を許さず、フェイントから力強い右ストレートをヒットさせた。スパーリングの相手を務めた鈴木は「以前に比べてムキになって打ち合わなくなった。やはり接近戦が強くて上手い」と拓真の成長ぶりを再確認した。その後のミット打ちではディフェンスを意識しつつ、基本的なコンビネーションの確認をし、サンドバッグ打ちでは休みなく手を出し続けた。
打ち込む!
 本来持っていた力強さ・気の強さを残しつつ、丁寧なボクシングを心がけていた拓真。兄の記録は意識していないと言っていたが今回の試合を越えたら周囲がより大きな期待を持つのは間違いないところだ。
井上拓真のシャドーを追え