[試合後会見]2014.11.2
木村、世界へのステップは!?
油田の右が先制
 1日、日本ライトフライ級王者、木村悠(30=帝拳)の2度目の防衛戦が、挑戦者に日本同級11位、油田京士(24=エディタウンゼント)を迎え後楽園ホールで行われた。
 現在、WBA15位、WBO12位、WBC8位そしてIBFで4位につける木村は、来年の世界挑戦実現に向けて、内容が重視される一戦となったが、試合は今回が東京初進出、タイトル初挑戦の油田が初回から先手で仕掛けると、様子を見ていた木村に右を打ち込み、膝を揺らす好スタートを切った。
初回以降は木村がポイント
 それでも油田がポイントを取ったのはこの初回のみ。木村は冷静に対応すると徐々にペースを上げ、左ボディからのコンビネーションでリズムを掴んだ。挑戦者も単発ながら何度か左右を効かせ追撃を試みたが、5回に偶然のバッティングで左目上を大きくカットしてしまった。5回終了時の採点はジャッジ3者とも49-46で王者を支持。以降、油田は勝負を焦ったのか、距離が合わなくなり木村の正確なパンチを次々に被弾してしまう。7回のドクターチェック後に一時は再開されたが、出血が激しくなったところでレフェリーが試合を止めた。試合は負傷判定となり、3者ともに69-64の判定3-0で木村が2度目の防衛に成功した。
油田の傷が酷くなり負傷判定に
 今回も大応援団が駆けつけた商社マンボクサーの木村は、リング上のインタビューで「勝てて良かった」とまずは安堵の言葉。油田に対しては「ベルトを獲るんだという強い気持ちが伝わった」と称え、練習してきた動きが出せなかったと反省も口にした。それでも世界について聞かれると「30歳を過ぎてもまだまだ伸びていると感じる。日本のベルトを好きですが、(この階級で)まだ誰も巻いていないベルトもほしい」と、ファンに向けて次の舞台へのステップアップを誓った。
まだまだ課題は多いと木村
 控え室に戻った木村は、負傷判定の結果については「効いたパンチはなかったが、相手の左フックの出どころは見えづらかった。もうちょっと時間があればパンチをまとめ、ストップかKOで勝てたかもしれない。今年最後の試合をもう少し良い形で終わらせたかった」と悔しがった。それでも、今回は得意先を含めて400枚ほどチケットを売ったと明かし、「次は500枚を目指したい」と笑顔を見せた。
緊張してしまったと油田
 一方、敗れた油田は「初回からポイントを取るつもりで仕掛けたが、上ばかりを狙ってしまった。チャンピオンがボディを攻めてくるのも分かっていたし、絶対に倒れるものかと気持ちを出して最後まで戦ったが、やはり木村選手は上手かった」と振り返り、肩を落とした。バッティングでは3cmほどの傷を負ったが、苦笑いを浮かべ「仕方ない」といった様子だった。
来年は世界への飛躍に期待