[ニュース]2012.8.23
パッキャオの次戦は12/1
マニー・パッキャオ
 6階級制覇の実績を持つ前WBO世界ウェルター級王者マニー・パッキャオ(比)の再起戦が、当初予定された11月10日から12月1日に延期されることになった。場所はラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナが予定されている。
 もともと11月10日という日程はプロモーターのトップランク社(TR)が指定していたもので、パッキャオ陣営は最終的な合意はしていなかった。6階級制覇王者のアドバイザーを務める側近のマイケル・コンツ氏がトップランク社と話し合い、日程を12月1日に延ばすことで合意を得たという。
 気になるのは対戦相手だが、かねてからトップランク社はティモシー・ブラッドリー(米)、ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)、ミゲール・コット(プエルトリコ)の3人を候補として挙げている。いずれも対戦済みで新鮮味には欠けるが、それなりのスーパーファイトになることは約束されたカードといえる。
 12月1日といえばコットがニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン(MSG)で試合を計画していることから、ここにパッキャオ対コットⅡが組み込まれるのかと思いきや、さにあらず。パッキャオはコットの準ホームともいえるニューヨークに乗り込む気はなく、さらに税金の高い当地でのイベントに消極的な考えを持っていると伝えられる。
 そこで急浮上しているのが究極のライバル、5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米)との頂上決戦である。これまで数えきれないほど計画されてきたカードだが、パッキャオ&トップランク社(TR)と、メイウェザー&ゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)が仲違いしていることから実現しないまま時間だけが経過してきた経緯がある。しかし、いまは以前とは状況が異なっている。もっとも大きな変化はメイウェザーがGBPと距離をおき、新たにTMTという共同プロモート会社を興したことであろう。TRとの交渉に関して支障がなくなったのである。もうひとつは、不可解な判定ながらパッキャオがブラッドリーに敗れたことで、両者の商品価値の均衡が崩れたことが挙げられる。近年のペイ・パー・ビュー(PPV)の売り上げでもメイウェザーが明らかに上回っており、それに基づいた報酬面の交渉がしやすくなっていると考えられる。また、6月1日から87日間の予定で収監されていたメイウェザーが1ヵ月近く早く自由の身になり、トレーニング期間が十分にとれる状況になったことも追い風になっているはずだ。
 12月1日なのか、はたまた来春なのか。まだまだ越えるべき壁は多々あるものと思われるが、メイウェザー対パッキャオが実現に向けて動き出していることは間違いない。