[海外ニュース]2016.12.18
トラブル続きのポベトキン
アレクサンデル・ポペトキン
 17日(日本時間18日)にロシアのエカテリンブルクで行われる予定だったアレクサンデル・ポベトキン(37=露)対バーメイン・スティバーン(38=ハイチ/米)のWBC世界ヘビー級暫定王座決定戦は、試合前夜になってポベトキンのドーピング違反が発覚したため、いったんはキャンセルに。その後、ポベトキンは相手を変えて無冠戦に出場した。
アレクサンデル・ポペトキン
 ポベトキンは今月6日にWBCと提携するVADA(任意の反ドーピング協会)の検査に応じたが、その結果、禁止薬物のオスタリンの陽性反応が出たことが判明。この報告を受けたWBCはポベトキン対スティバーン戦を暫定王座決定戦として認定しないとの判断を下し、16日にプロモーターに伝えた。スティバーンは即座に試合出場を取りやめたため、イベントを強行したいアンドレイ・リャビンスキー・プロモーターはポベトキンの相手探しに奔走。こうしたなか、観戦に訪れていたWBC4位のヨアン・デュアーパ(仏)が対戦に応じることになった。
 ドタバタのすえに挙行されたポベトキン対デュアーパのノンタイトル10回戦は、序盤は比較的静かな展開だったが、4回からポベトキンが攻勢を強め、6回終盤に左フックを決めてKO勝ちを収めた。KOタイムは6回2分59秒だった。デュアーパは38戦34勝(21KO)4敗。戦績を32戦31勝(23KO)1敗に伸ばしたポベトキンだが、今年4月の検査でもドーピング違反を犯しており、置かれた状況は極めて厳しいものといえる。前回は決まっていたデオンタイ・ワイルダー(米)への挑戦はキャンセルになったものの、禁止から間もないメルドニウムの摂取だったことから事実上の猶予が与えられたかたちとなった。そのため今回の暫定王座決定戦も許されたわけだが、再度の違反となり今度は厳罰が確実視される。