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[公開練習]2022.6.28

井上尚弥! 次もファイトマネー最高額へ!

井上尚弥(大橋)がジムワークを再開
 WBA(世界ボクシング協会)スーパー、WBC(世界ボクシング評議会)、IBF(国際ボクシング連盟)バンタム級統一王者の井上尚弥(29=大橋)が28日、横浜市内の所属ジムで報道陣に練習を公開した。

 世界5階級制覇ノニト・ドネア(39=比/米)に衝撃の2回TKO勝ちし、WBC王座を獲得。さらにこの試合が評価されて、米老舗ボクシング専門誌「The Ring」のPFP(パウンド・フォー・パウンド)1位となった。

 歴史的一戦から3週間が経ち、練習を再開したモンスターを取材しようと多くの報道陣が集まった。「ここまできたら、バンタム級でやり残した試合はあと1試合。決まればそこに照準を合わせていく」と、年内でのWBO(世界ボクシング機構)同級王者のポール・バトラー(33=英国)との4団体統一戦を目指す。

次戦もファイトマネー最高額を更新!

 大橋秀行会長は「次戦のファイトマネーはさらに上がる。史上最高額となる」と具体的な金額こそ明かさなかったが、バンタム級としては破格のファイトマネーになることを明言した。
「子どもたちに夢を与えたい」
 ファイトマネーについて聞かれた井上は「バンタム級でここまでもらえるとなれば、子どもたちに夢を与えることができる。世界チャンピオンになりたいというだけでなく、(ファイトマネーでも)夢を与えたい」。

 ペイ・パー・ビュー(PPV)と呼ばれる課金放送形式が定着してきて、モンスターのファイトマネーも試合をするごとに上がっていきそうだ。
「12月をめどに準備していく」
 現在、4団体統一戦に向けて交渉中で、年内にもバトラーとの一戦が濃厚だ。英国のサイトでのバトラーのインタビュー記事をプロベラム社がSNSでリツートしたという。それを聞いた井上は「気持ちが高まってくる」と話すと、「(バトラーの)雰囲気は何となくわかっている。映像はこれから見ていく」とした。大橋会長によると、試合が決定してから、ヨーロッパからスパーリングパートナーを招聘すると語った。

 2018年5月にバンタム級のリングに上がってから4年以上が経過。WBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)優勝。そして、3団体王座統一を成し遂げてきたモンスターは、次戦がこの階級での集大成となりそうだ。
強さに磨きをかける
 ドネア戦は、これ以上ない完璧な内容で圧勝した。それでも気を緩めることはない。「減量もリカバリーも上手くいったので、これを維持していきたい。練習で課題を見つけながら、やりたい動きをスムーズに出せるようにしていきたい」といつものように慢心することなく、これからも強さに磨きをかけていく。

 昨年の秋から、八重樫東トレーナーによるフィジカルトレーニングに着手している。「次の試合で目に見えてわかってくると思う」と、さらに進化したモンスターの姿を見せるつもりだ。
いずれ東京ドーム興行も!?
 那須川天心と武尊による注目の一戦が東京ドームで行われ、大きな話題を呼んだ。囲み取材に応じた大橋会長は「このイベントは見に行っていないが」と前置きした上で、「ボクシングの東京ドーム興行はありだと思う。そこでできるのは、尚弥しかいない」と語った。

 東京ドームでのボクシング興行は、1990年2月11日にマイク・タイソンvsジェームス・ダグラスによる3団体世界ヘビー級タイトルマッチ以降、32年間行われていない。その4日前に、大橋会長がWBC世界ミニマム級王座奪取に成功し、国内ジム所属選手の世界挑戦連続失敗記録をストップしたのも何かの縁ではないだろうか。

 大橋会長は「次戦での東京ドームでの興行はない」と話したが、近い将来の超ビッグイベント開催の可能性も否定はしなかった。
伝説は続く
 この日、井上はシャドーボクシングやサンドバッグ打ち、ミット打ちで約40分のメニューを消化した。練習後、囲み取材に応じた井上はPFP1位について聞かれると。「ドネア戦でのあの勝ち方で、どうなっていくのかは気になっていたが、1位になったと聞いた時、驚きはなかった」と感想を語った。

 バンタム級4団体統一を成し遂げたら、次はスーパーバンタム級で世界4階級制覇を狙う。「対戦相手も体が大きくなるし、緊張感が高まると思う」と、未知の階級での戦いも楽しみにしているようだ。