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[記者会見]2013.10.18

江畑がIBF王座決定戦

 11月28日の後楽園ホールでは、宮尾綾香(大橋)とのW世界タイトルマッチとして、東洋太平洋女子フライ級王者の江畑佳代子(37=ワタナベ)が、ナンシー・フランコ(24=メキシコ)とのIBF世界女子ミニフライ級王座決定戦に挑む。その発表会見が、18日、東京・五反田のワタナベジムで行われた。
江畑は宮尾ともスパーで調整している
 ボクシング歴20年に及ぼうとしている江畑が、本格的にボクシングに没頭し始めたのは、広告代理店の営業部に就職してからのことだった。それから毎朝、6時の起床で8kmのロードワーク。20時半までにはジムで練習を開始し、なるべく午前1時までに床に就く。14年間、この生活を続けてきた。
「悪循環のときは、ノイローゼで倒れてしまえって、自分に期待したこともありましたけど(笑)、結局、耐え抜けたのは、ボクシングと営業の両方に全力だったからだと思います。片方をやっている時に、もう片方に悩めない。切りかえがはっきりできました」
 大変だけど職場は大切な理解者ですとも付け加えた江畑は、土日に心身の疲れを取る方針だが、「実年齢と冷静に付きあう」ため、休みたいときは、迷わず休むそうだ。
過労を表に出さない江畑
 2003年、日本アマチュアボクシング連盟(現・日本ボクシング連盟)が女子を公認してから、江畑は初代の全日本王者となった。そして女子がJBC公認となる直前のプロへ転向。タイからWBCインターコンチネンタルミニフライ級王座を持ち帰った。
 その後にカンボジアでWBC世界ライトフライ級王座へ挑戦。王者サムソン・ソー・シリポン(タイ)に0-2で敗れはしたものの、「女子公認初の世界戦」という価値あるキャリアとなった。
 だが、以降もタイトルマッチで勝てなかった江畑は、「アマ時代に3戦3勝の柴田直子選手に負けたときに、引退を本気で考えました」と打ち明ける。
 最終的には「こんな気持ちでは終われない」と思って再起。今年7月、元WBAミニマム級王者の孫抄弄(韓国)を破り、空位だった東洋太平洋王座をものにした。
渡辺均会長は「乱打戦が軸ではなくスマートに戦える選手」と江畑を評した
 所属先であるワタナベジムの渡辺均会長は「こんなに長く努力した選手は他にいない。それを実らせて欲しいし、女子ボクシングの活性化にも一役担ってもらえればうれしい」と、ジム屈指の苦労人に期待を寄せた。
 対戦相手となるナンシーの情報は、まだ江畑に入ってきていない。
「写真を見て“肩幅が広いけど背が低そうだな”と思ったくらいです。初のメキシカン戦。ボクシングが盛んな国だけあってレベルの高い選手を覚悟しています。東洋太平洋王座も3度目で獲ったので、3度目の女になりたいですね」
会見後の江畑は急ぎ足で職場へ戻った
 ベテランの江畑は会見で終始、落ち着いた様子だった。日本大学時代にキックボクシング部のマネージャーとなった話題が挙がり、「キックならマネージャー、ボクシングなら選手をやるつもりだった。でも面白くて結局、自分も選手でやろうと思いました」と語ると、同部に憧れの先輩がいて「2回フラれた」とも告白。奇しくも同部を創始した山崎照朝氏が、記者としてこの場にいたこともあり、会見は大いに盛りあがった。ところで、こちらに3度目のアタックは?

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