打撃戦を制したのは!!

　8日、後楽園ホールで開催された「角海老ボクシング」のリングでは、日本ライト級王者"Dave"加藤善孝(角海老)が3度目の防衛戦として、日本同級1位"指名挑戦者"川瀬昭二(松田)を迎え撃ちメインイベントを締め括った!!

　前日計量で両者が希望した通り、序盤から打撃戦が予想されるも、王者・加藤が的確なジャブ・右ストレートで挑戦者・川瀬の膝を揺らし主導権を引き寄せる。すると4回、王者はジャブで顔面を跳ね上げ狙い済ました右ストレート一閃、挑戦者からダウンを奪う。何とか立ち上がる川瀬だが、再び加藤の右ストレートにダウンを追加されるも 、ここはゴングに救われる。そして5回、王者・加藤は冷静にジャブでリズムを作り狙い済ました右ストレートでアゴを貫くと、挑戦者・川瀬はキャンバスにダイブした。

　3度目のタイトル挑戦もベルトに手が届かなかった挑戦者・川瀬は「まったくダメでした。加藤選手はガードが固く、思い切り右ストレートをもらってしまった。今後についてはユックリ考えたい…」と敗戦を受け入れ、静かにうつむいた。

　2度目の防衛戦に続き、V3戦も鮮やかな右ストレートで挑戦者を屠った王者・加藤が控え室で会見を開いた。「最初にダウンを奪ったパンチは力みもなく、自然に出たパンチだった。右ストレートから次につなげていく作戦だったが、その右で決まった感じですね」と試合を振り返った。
　ジャブの精度がアップしたことを尋ねられ加藤は「スパーではもっとジャブで相手をコントロールできるんですよ(笑)。今日は冷静にジャブを突けたし、的確に当てられたのが良かった。セコンドの指示も聞こえたし、吹っ切れて戦えた。少しは成長したと思う」と笑顔を見せた。
　最後に今後の展開を求められ加藤は「荒川選手のメキシコで行われる次期挑戦者決定戦の結果もあるが、もろもろの動向を見てからですね。実は…妻が妊娠していまして、来年の5月に出産予定なんです(笑)。僕はこんな所で負ける訳にはいきません!!」と"おめでた"を告白し、さらなる飛躍を誓った。

　王者・加藤は切れ味鋭い右ストレートで指名挑戦者・川瀬を粉砕し、日本ライト級戦線で確固たるポジションを築いた。
　着実にステップアップを果たしている"Dave"の次なる戦いはライバルとの決着戦になるのか、それともチャンピオンカーニバルでのV4戦となるのか…。