OPBF新旧王者対決!

　18日刈谷市あいおいホールで行われた東洋太平洋Sバンタム級タイトルマッチは、王者・小國以載(VARY)と挑戦者・大橋弘政(HEIWA)による新旧王者対決となった。両雄による意地のぶつかり合いの結末は―。会場には、スーパーバンタム級日本王者の芹江 匡晋(伴流)も姿を現した。

　1R早々、王者・小國以載は挑戦者・大橋弘政の接近戦に対し、左ジャブで距離を保つと右ボディー右ストレートを鮮やかに決めダウンを奪うが、小國はこのラウンドに決めきれず。一方の大橋は中盤まで接近出来ず王者のペースで試合が進む。6R終了時点の採点がアナウンスされ、大差をつけていることが分かると小國は一転して接近戦に応じ9Rまで壮絶な打ち合いとなる。しかし、8R終盤に受けた偶然のバッティングによる小國の左目上の負傷が悪化、ドクターストップという呆気ない結果となり場内騒然とヤジの飛ぶ後味の悪い試合となった。規定により9Rまでの判定3-0の圧勝で王者が初防衛戦を飾った。

　小國は試合後即ドクターチェックに直行し治療を受けたのちに控室に戻り会見となった。記者からの今日の試合は―、の問に「前半は試合前から想定していた通りになった。1Rに奪ったダウンは予想通りの展開でちょっと驚いてしまって決め切れなかった。」と悔しそうな表情を浮かべ「今回は大橋さんに引退してもらおうと思っていたからこんな結果になって本当に申し訳ないと思いです」とこの試合にかけた気持ちを露呈し「実は2か月前に右のこぶしをけがしていて5R以降思うようにジャブが当てられなかった。7R、会長から打ち合って来いと言われたので臨んで大橋さんの距離に入って打ち合った。でもやっぱり大橋さんは強かった…」と挑戦者をたたえ「次回チャンスがあればお互い万全な状態でもう一度戦いたい」と再選を望んだ。

　一方大橋は「前半にポイントを奪われたのが敗因」と終始うつむいたまま記者の質問に答え「接近して戦うスタイルは相手も分かっていることだから前半で倒せなかったのだから完敗です」とうなだれた。1Rのダウンについては「全く見えなかった、多彩なパンチを当てられてポイントを奪われていると思っていた」しかし6R以降は盛り返せたのではとの記者の問には「後半はようやく距離も取れて来たが前半ポイントをとれなかったのでこれが自分の実力だと思う」と最後は静かにうつむき涙を見せて会見を終えた。

　試合をリングサイドで観戦した日本スーパーバンタム級王者・芹江 匡晋(伴流)は試合後「ちょっと消化不良な感じですね、終盤大橋さんが追い上げてただけに残念です、本当にちょっと消化不良です。」と残念そうに語った。
　同じく試合を観戦したジョー小泉氏は「チャンピオンには良い経験になった試合だと思う、大橋選手には最後までやらしてあげたかったね」と挑戦者を気遣った。