[一夜明け取材]2026.5.4
王座奪還も満足なし! 佐々木尽「倒せなかった悔しさ」と進化の手応え

王座返り咲きに成功したOPBF東洋太平洋ウェルター級王者の佐々木尽(24=八王子中屋)が3日、電話取材に応じて、激戦から一夜明けた心境を語った。
佐々木は2日、東京ドームで開催された「「NTTドコモ presents Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ」のアンダーカードで、王者の田中空(24=大橋)との激戦の末、判定勝ちで新チャンピオンに輝いた。
王座返り咲き。その結果だけを見れば文句なしの復活劇だ。しかし、リングを降りた佐々木の胸に去来していたのは歓喜ではなく、明確な課題と悔しさだった。
勝利と課題、歓声と悔しさ。そのすべてを抱えながら、24歳の王者はすでに次の戦いへと視線を向けている。
左目上が腫れガーゼを当てていたものの大事には至らず、帰宅後は試合映像を見返し、ジムでミーティングを行った。
「内容はどうであれ、勝てたことで次に進むことができる。しかし、正直な気持ちとしては倒せずに悔しい。入場の時がピークだったかもしれない。判定決着は考えていなかった、倒す自分に期待して東京ドームを沸かせるという理想を超えることができなかった」と厳しめに自己評価した。
それでも上下のコンビネーションやボディワークといったテクニックを随所に見せ、進化の跡を刻んだ。「映像で見たら思っていたより練習でやってきたことを少しは出せていた。いつもの気持ちの殴り合いではなく、打ち合いの中で細かい技術を見せたかった」と手応えも口にした。
被弾しながらも前進を止めず、連打とショートアッパーで食い下がった田中については、「自分が打ってくるタイミングを研究して、歯を食いしばって耐えていた。相当、気合いが入っているのを感じた」と称えた。
採点は割れたが勝利は佐々木に。「有効打では自分が上回っていたが、手数でアッパーをもらったりと見栄えが悪かったのかな」と冷静に振り返った。
「アッパーをもらったが、アッパーで崩してからのフックを警戒していた。アッパーは歯を食いしばったら踏んばれるので、あえて打たせた面もある。フックは一発も、もらわなかった」と攻防の意図を明かした。
試合後、リング上では「一緒に日本のウェルター級を盛り上げていきましょう!」と田中に声をかけたことも明かした。
55000人の観客を前にした入場については、「最高に気持ち良かった。もっと上のランクに行ってまた出たい」とさらなる飛躍を誓った。試合後にはSNSのフォロワーが3000人増えるなど、大舞台の反響も実感している。
日本・WBO-AP王者のセムジュ・デビッド(中日)との対戦を熱望
次に対戦したい相手として、日本・WBOアジアパシフィック同級王者セムジュ・デビッド(33=中日)の名前を挙げ、「佐々木はセムジュには勝てないという意見を聞く。皆、勝っていない。この選手に勝たないと、アジアで一番とは言えない」と闘志を燃やした。
次戦は9月21日(月・祝)、地元八王子で予定。約3年2ヶ月ぶりの凱旋となる。
2月の再起戦からほとんど休まず走り続けてきた24歳は、「試合が終わってドッと疲れが出た。しばらく休みたい」と率直な胸の内を明かし、「今はカフェでゆっくりしたり、自然に生きていきたい」と束の間の休息を求めた。
それでも歩みは止まらない。東京ドームで得た経験と課題を糧に、さらなる高みへ。
待ってろ世界。
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