[試合後談話]2025.4.22
石井渡士也vs福井勝也! 歓喜の涙に感動!

日本スーパーバンタム級王座決定戦、同級1位の石井渡士也(24=RE:BOOT)対同級2位の福井勝也(28=帝拳)の一戦が22日、後楽園ホールで開催された「Lemino フェニックスバトル133」のセミファイナルで行われた。
石井がジム初の日本チャンピオンとなったのか? それとも、名門・帝拳ジムに所属する福井が現役11人目の王者となったのかーー。
初回は、福井はジャブから左フックにつなげて、幸先の良いスタートを切るが、石井は冷静にジャブでプレスをかけつつ、左ボディで体力を削った。前半終了時の公開採点は割れたが、石井がリード。6回以降も石井はジワジワと責めると、最終10回にパンチをまとめて、レフェリーストップに持ち込んだ。
2度目の挑戦でベルトを巻いた石井は、「本当は2年前にやりたかったが」と言うと、「田舎の小さなジムで、チャンピオンがいるってすごいことなんです! 自分を含めて3人のチャンピオンがいる。ジムを作った会長に拍手をお願いしていいですか」と師匠である射場哲也会長を称えた。
RE:BOOTジム初の男子日本チャンピオン
埼玉県ふじみの市にあるRE:BOOTジムは、2013年にオープンし、男子初の日本チャンピオン誕生。現在は、石井のほかに日本ユース・バンタム級王者の金城隼平(24)、日本女子バンタム級王者の山下奈々(27)がいる。
射場哲也会長はリング上で「渡士也にはいろいろなものを背負わせてしまった。もっと早くチャンピオンになれたかもしれないのに。ずっと自分についてきてくれて感謝しかない」と共に歩んできた石井に感謝の気持ちを伝えるとうれし涙を流した。
「渡士也のおかげでジムが強くなった」射場哲也会長
試合後の控室で「(石井は)責任感が強く、チームメイトを引っ張ってくれる。そのおかげでジムが強くなった。ただ、ジムを背負わせてしまった。前回のタイトル戦で、そこをセーブしてあげられなかったことが心残りだった。今後は自分のために強くなってほしい。その中で皆がついていく。チーム力で戦っていきたい」と、ジム頭として走り続けた石井に感謝し、ジムのさらなる発展に期待した。
「後半で仕留めることを意識した」
劇的勝利でベルト獲得を果たした石井は、「相手が上手くて、潰しにくかったが焦らず進めて、冷静にジャブで試合を運び、後半で仕留めることを意識した。(福井選手は)フックを狙っていて迷いが出たが、ここが勝負所だと覚悟を決めた。一発ではなく、詰めて倒そうと思っていた中で、弱っているのはわかっていたが、前に出てくれて勝負してくれたことが嬉しい。今回の勝ちは神様のおかげで、今までやってきたことのお釣りが返ってきた」と、謙虚な姿勢で拳を交えた福井を讃えつつ、試合を振り返った。
一方、ベルトを獲得できなかった福井は、「想定していた以上に馬力と圧力を感じ、練習してきたことを出せなかった。パワー、テクニック全部で上回られ、自分の実力不足。石井に勝つことだけを考えてきたので、今後のことは白紙。1度休んでから次を考えたい」と、悔しさを滲ませながらも石井の強さを讃えた。
この日、会場で観戦した日本同級3位の津川龍也(24=ミツキ)は、「前半は互角ぐらいかなと思ったが、後半からの石井選手のペースは流石やなと思いました! 石井選手はもちろん意識していた選手。現地で観て石井選手と日本のベルトを懸けて試合ができることにワクワクしてます」と感想を語った。石井は初防衛戦で津川との防衛戦が濃厚だ。
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