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[公開練習]2023.12.15

井上尚弥! 楽勝ムードを打ち消す。

 WBC(世界ボクシング評議会)・WBO(世界ボクシング機構)スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(30=大橋)が15日、横浜市内の所属ジムで報道陣に練習を公開した。

 井上とWBA(世界ボクシング協会)・IBF(国際ボクシング連盟)統一王者のマーロン・タパレス(31=比)とのスーパーバンタム級4団体王座統一戦は、12月26日(火)に有明アリーナで行われ、Leminoで独占無料ライブ配信される。
116ラウンドのスパーリングを消化
 モンスターの圧勝予想が大多数を占めるが、井上はまったく油断していない。「周りの楽勝ムードが一番怖いので」と、4人のメキシコ人選手と116ラウンドのスパーリングを消化した。「前回のスティーブン・フルトン(29=米)戦の前は、80ラウンド弱くらい」(井上真吾トレーナー)。スパーリングの数を増やした。

 大橋秀行会長は「(メキシコ人パートナーは)それぞれタイプが違って、どの選手もパワーとスピードがあり、パンチを打ち込まれても怯まずにすぐにカウンターを返してくる。フルトン戦は拳を痛めていて、スパーリング開始が遅れたが、今回は不安なく全力でやっていた」と、質の高いスパーリングに納得の表情だった。井上は「タパレス対策もできて良いトレーニングが積むことができた」と万全のコンディションを強調した。スパーリングは昨日(14日)打ち上げた。

 左目下のかすり傷が気になるが、これはスパーリングで負った傷ではなく、「転んじゃったんですよ」と話した。
「ジャブがキーとなる」
 あらためてタパレスの印象を聞かれた井上は、「離れても良し、くっついても良しの、なんでもできる器用なタイプ」と警戒。「フルトン戦は頭脳戦だったが、今回も頭脳戦になる。フルトン戦の1ラウンドより、会場がもっとピリつくと思う。気を引き締めて戦う」と言葉に力を込めた。

 大橋会長も「(タパレスは)回転力やカウンターのタイミングなど、パッキャオの良い時と重なる」とこちらも警戒を強めていた。
Sバンタム級転向2戦目
 フルトン戦後、「コンディション作りに伸びしろがある」と、スーパーバンタム級での体作りに改善の余地があると語った井上。「前回は早めに減量を始めたが、今回は筋量を少し残しながら調整している」。

 大橋会長は「バンタム級時代の最後は体重を落とすための練習だったが、今は試合のための練習ができている。階級を上げたことでスピードが活きてくる」とさらに強くなったモンスターに期待している。
「さらに上を目指す」
 メジャーリーガーの大谷翔平選手が、スポーツ史上最大級の大型契約を結びロサンゼルス・ドジャースに移籍した。世界で活躍する同世代のアスリートとして刺激を受けている。「ジャンルが違うし、僕はボクシングで頂点を極めていきたい。ただ、良い刺激を受けている」。
「KOは流れの中で」
 会見後には、シャドーボクシングを2ラウンド、サンドバッグ打ちを1ラウンド披露し終了。汗もたっぷりと出ていて、コンディションは良さそうだ。「KOは流れの中で見極めていきながら。まずは勝つこと」。あえてKO宣言はせず、タパレス撃破に全力を注ぐ。

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