続報・石澤開が計量失格! 条件付きで試合開催。

　WBO(世界ボクシング機構)世界ミニマム級タイトルマッチの前日計量が21日、横浜市内のホテルで行われた。既報のとおり、チャンピオンの谷口将隆(28=ワタナベ)は、リミットの47.6kgで一発クリアしたが、挑戦者で、この日更新された最新の世界ランキングで2位に上がった石澤開(25=M・T)は、1回目の計量で2.5kgオーバーの50.1kgだった。2時間後の再計量でも200グラムしか体重は落ちず、結局49.9�sで公式計量を終えた。これにより、両陣営が協議した結果、試合当日(22日)の17:30に日本ボクシングコミッション事務局で、石澤だけが再計量を行い、50.6kg以内であれば、予定どおり試合が行われることとなった。50.7kg以上だった場合は、試合は行われない。いずれにしても、石澤には後日、ペナルティが課せられる。

　WBO独自のルールでは、挑戦者が計量オーバーした状態でタイトルマッチが開催されると、チャンピオンが勝つか、引き分けた場合は王座防衛とし、チャンピオンが負けた場合は、王座は空位となる。また、JBC(日本ボクシングコミッション)のローカルルールでは、前日計量時に契約体重の3%以上、体重が上回った場合は、再計量は認められず、試合は中止となる。しかし、今回はWBOの世界戦のため、WBOのルールが優先され、再計量が認められた。

　ワタナベジムの深町信治マネージャーによると、谷口は当初、「最初の計量から1�sは落としてほしい。落とさないなら試合はやらない」と、条件付きで、試合を行うことにOKを出していた。しかし、石澤は200グラムしか体重を落とすことができなかったため、再度議論を重ね、「ミニマム級リミット(47.6�s)から当日計量で3�sの戻し。ここだけは譲れない」と、試合当日の計量で、石澤の体重が50.6kg以内だった場合のみリングに上がるとした。

　ただ、石澤が所属するM・Tジムは、当日計量でミニマム級リミットの47.6kgから4kg増とする51.6kg(※石澤の2回目の計量体重49.9�sからは1.7�s増)までの増量を主張したが、ワタナベジムの提案する「3kg戻し」(=50.6kg)以下とする体重の条件で合意。「いつもは(もっと)戻している」 と明かしたM・Tジムの高城正広会長も不安な様子で会場を後にした。

　苦渋の選択を強いられたワタナベジムの渡辺均会長は「谷口は、減量の影響で体にダメージを受けているが、興行を潰すわけにはいかない」と、条件付きでの世界戦決行に合意した。

■検診結果
■谷口将隆(ワタナベ)
体温36.8℃
脈拍104/min
血圧96/86Hgmm

■石澤開(M・T)
体温36.8℃
脈拍55/min
血圧128/69Hgmm

オフィシャル
レフェリー:染谷路朗
ジャッジ:中村勝彦、村瀬正一、室矢雅弘
立会人:安河内剛