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日本スーパーライト級2位の佐々木尽(20=八王子中屋)は、10月19日(火)に後楽園ホールで開催された日本&WBOアジアパシフィック王座決定戦に出場する予定だったが、前日計量で体重超過(1.8sオーバー)しベルト獲得の権利を喪失した。
試合当日の午後5時に行われた計量をスーパーライト級リミット63.5sから8%増以内の68.1sでクリアしたため、平岡アンディ(25=大橋)が勝利した場合のみ新チャンピオン誕生、佐々木が勝利した場合は空位のままという変則タイトル戦で行われた。
結果は、平岡が11回TKO勝ちで2冠王者となり佐々木は12戦目で初黒星を喫した。試合から数日後、佐々木に前日計量で何が起こったのか?そして、今後について電話取材した。
試合当日の午後5時に行われた計量をスーパーライト級リミット63.5sから8%増以内の68.1sでクリアしたため、平岡アンディ(25=大橋)が勝利した場合のみ新チャンピオン誕生、佐々木が勝利した場合は空位のままという変則タイトル戦で行われた。
結果は、平岡が11回TKO勝ちで2冠王者となり佐々木は12戦目で初黒星を喫した。試合から数日後、佐々木に前日計量で何が起こったのか?そして、今後について電話取材した。
1回目の計量は1.9sオーバー
「申し訳ない気持ちでいっぱいです」
平岡戦でのダメージが深く、3日間寝込んでいて家からは出ていないという佐々木は、「試合どうこうよりも計量失格したことをずっと深く反省しています。相手陣営、そして試合に関わっている人たちすべての人に申し訳ない気持ちでいっぱいです。プロとして失格です」と声を絞り出しながら心境を語った。
「すべて自分の責任です」と話した佐々木は、「それまでは予定通りに落ちていた。いつも前日にサウナスーツを着てジムで練習して汗を出してその後、自宅で半身浴をして体重を落としているが、今回はジムで汗が出なくて焦ってしまった。いつもは2s落ちるところが1sしか落ちなくて、体にダメージがあるのを感じた」。「それでも夜中に自宅で半身浴をしようとしたが肌が乾燥していて、汗が出なかった。気がついたらフラフラしてしまった」と、計量前夜の状況を説明した。
当日は68.1sだった
体重が落ちずにパニックになった
「その時は『なぜ、体重が落ちないんだ』とパニックになってしまった。前日の練習で異変を感じていたチーフトレーナーが家に来て、付き添ってもらいながら落としたが、それでも落ちなかった。風呂の調子も悪かったため、チーフトレーナーの家に移動して半身浴したが、体が拒否反応を示して100gしか落ちなかった」。
試合は成立させないといけない
計量当日は、朝の時点で2.9sオーバー。それでも契約体重(63.5s)の3%以内の超過の場合、ベルト獲得の権利は失うが、試合は成立することを知り、「なんとか試合は成立させたい」と実家に戻りもう一度半身浴をしたところ、汗が出るようになり1.9kgオーバーの状態で計量会場に向かった。「手足が痺れてしまいこれ以上は落ちない」と2度目の計量で65.3s(1.8sオーバー)となった。
「試合はしっかりやって誠意を見せようと思った」
「ボクシングを辞めようとも思った」
SNSで多くの批判を見て「自分がやったことなので仕方がないがすごく辛かった」。ホテルの部屋で「プロボクサーとして最低限のことができていない。自分はリングに上がる資格はない。ボクシングをしない方がいいのではないか」と思い悩んだが、多くのボクサーからSNSを通じて「明日はいつも通りの試合を見せてほしい」とメッセージが届いたという。
「試合では気持ちを切り替えた」
そこで「明日は試合があるので誠意を見せないとアンディ選手や陣営にも失礼だし、見てくれるお客さんにも失礼。気持ちを切り替えてリング上だけはしっかり戦おうと思った」と腹を決めた。入場する際、「セコンドから『声を出していこう』と言われて」と自らを鼓舞した。
強打が空転した
「大橋秀行会長と平岡アンディ選手に感謝」
開始から大振りのパンチで襲いかかったが平岡の鉄壁のディフェンスに決定打を打ち込むことができず3度のダウンを喫した末、敗れた。「自分のステップインの力を逃がす角度にポジションを取られた。対策してきたパンチが当たらなかった」と平岡の強さを認めると「試合を開催してくれた大橋秀行会長には本当に感謝しかない。試合をしてくれた平岡選手にも感謝している」と語った。
開始から大振りのパンチで襲いかかったが平岡の鉄壁のディフェンスに決定打を打ち込むことができず3度のダウンを喫した末、敗れた。「自分のステップインの力を逃がす角度にポジションを取られた。対策してきたパンチが当たらなかった」と平岡の強さを認めると「試合を開催してくれた大橋秀行会長には本当に感謝しかない。試合をしてくれた平岡選手にも感謝している」と語った。
「二度と失敗しない」
「今後もボクシングを続けていくとしたら、もっと余裕を持って体重を落としていきたい。減量方法を見直して次こそは、このようなことがないようにしていく」としばらくは反省の日々を過ごす。
八王子中屋ジム中屋一生会長は「尽とのコミュニケーションが足りなかった自分の責任。関係者には謝罪しても謝罪しきれない思い。今後は、ジム側もさらに学び、尽や選手たちと情報を共有していき自分の仕事を全うしていきたい」と改善すると話した。
プロなので約束した体重を守ることは当然のことだ。非難されるのも仕方のないことだ。しかし、プロとはいえ、必要以上のバッシングは有望なボクサーを潰す可能性もあるのではないだろうか。
八王子中屋ジム中屋一生会長は「尽とのコミュニケーションが足りなかった自分の責任。関係者には謝罪しても謝罪しきれない思い。今後は、ジム側もさらに学び、尽や選手たちと情報を共有していき自分の仕事を全うしていきたい」と改善すると話した。
プロなので約束した体重を守ることは当然のことだ。非難されるのも仕方のないことだ。しかし、プロとはいえ、必要以上のバッシングは有望なボクサーを潰す可能性もあるのではないだろうか。