村田諒太が高速連打でパートナーを圧倒!

　WBA(世界ボクシング協会)ミドル級王者の村田諒太(33=帝拳)が12日、都内の所属ジムで報道陣に練習を公開した。この日の村田は2ラウンドのスパーリングを披露。相手陣営が偵察に来ているなか、手の内を隠すことなく激しい打ち合いで絶好調をアピールした。
　試合は12月23日(月)に横浜アリーナで開催される「FUJI BOXING」のメインイベントで同級8位のスティーブン・バトラー(24=カナダ)を相手に行われる。

　練習前に会見に臨んだ村田は、バトラーについて「KO率が高く、WBAでは8位だが、WBOでは1位にランキングされている選手でランキングに見合った実力者」と語り、「序盤からプレスをかけて強いパンチを叩き込んでいく。ただ、狙いすぎて変な一発をもらわないように注意したい」と今年7月にロブ・ブラント(29=米)から王座を奪還したファイトスタイルそのままをぶつけていく。

　「もし、バトラーが打ち合いを避けてアウトボクシングをしてきたら」の問いには、「逆にありがたい。そうなればプレッシャーをかけていくだけ。ブラント第1戦のような展開にはならない」と自信を示した。

　アイザイア・スティーン(23=米)との2ラウンドの実戦練習では、初回から左を突いて圧力を強めるとロープに追い込んで強弱をつけた連打で攻勢。2回も左ボディから右フックを叩きつけ、上下に打ち分けて相手をコーナーに釘付けにした。強打はもちろんだがコンビネーションの速さが目を惹いた。
　スパーリング後はカルロス・リナレストレーナーとのミット打ち、ドラムミット打ちなどでたっぷりと汗を流した。

　村田のスパーを見終えたバトラーを指導するジャン・フランソワ・バージェロントレーナー(46)は「ムラタは想定していた通り、プレッシャーが強くて良い選手。オリンピックで金メダルを獲り、プロでは世界チャンピオンになっている選手なので万全のコンディションでくるだろう」と実力を評価。しかし、「バトラーの力が最大限に活かせる作戦を用意してきた。それが何かは言えないが、作戦はできているので当日に遂行するだけ」と不敵な笑みを浮かべた。

　この試合を勝てば来年にはビッグマッチが期待されるが、「先を見るとブラント第1戦のように足元をすくわれるのでこの試合にすべてをかける」と目の前の試合に全神経を注ぐ。