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[一夜明け会見]2019.11.8

井上尚弥! 瞬間最高視聴率20.5%!

 歴史的死闘の末、WBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)優勝を成し遂げ、モハメド・アリトロフィーを手にしたWBA(世界ボクシング協会)スーパー、IBF(国際ボクシング連盟)バンタム級王者の井上尚弥(26=大橋)が8日、横浜市内の所属ジムで一夜明け会見を開いた。
 2万人の観客がスタンディングオベーションをした世界5階級制覇王者のノニト・ドネア(36=比/米)との激戦を終えた井上は、「陣営はハラハラすると思うが、殴り合うことができて楽しかった。これぞボクシング!」と2ラウンドにドネアの必殺左フックを浴びてカットした右目上の傷をさすって静かに微笑んだ。
楽しく試合ができた!
 テレビカメラ10台、さらに多くの報道陣に囲まれて会見に臨んだ井上は、「やっとこのトーナメントが終わって一区切りついてホッとしている」とWBSS優勝に安堵の表情を浮かべると、「ドネアでなかったら、ここまで感動する試合はできなかったと思う」とボクシング史に残る名勝負を振り返った。
 「仮に今、ドネアと会って話せるとしたら何を聞きたいか?」の質問には、「36分間殴り合ったからこそわかり合える、あの場面ではどう考えていたかなど話してみたい」と10歳年上の拳友との再会を楽しみにしていた。
10回から巻き返した
 9ラウンドにドネアの右ストレートを浴びてピンチに陥った場面については、「パンチは効いたが息子の顔が一瞬よぎって踏ん張ることができた。これは初めての経験」と家族の存在の大きさを物語ると、「息子には負ける姿は見せたくない」と2歳の長男・明波君にこれからも父親として強い姿を見せると誓った。
ドネアから気持ちの強さを感じた
 初回が終わり早いラウンドでのKO決着に自信を深めた井上だが、2ラウンドでのカットで状況が一変。「瞬時の作戦変更を余儀なくされた。すべてを出せたわけではないので悔しい気持ちもある。初回の動きが続けられたら良かった」と出来自体には満足はしていなかった。
平均視聴率15.2%! 最高瞬間視聴率20.5%!
 今後もバンタム級に留まり、最強を証明していくと語った井上。昨日の試合後、リング上のインタビューで弟の拓真がWBC世界同級正規王者のノルディ・ウバーリ(33=仏)に敗れ、弟の敵討ちを宣言。戦いたい相手について「現実味のある選手」と前置きた上で、ウバーリとWBO(世界ボクシング機構)同級王者のゾラニ・テテ(南アフリカ)の名前を挙げた。さらにかつてドネアに勝利したギジェルモ・リゴンドー(39=キューバ)にも興味を示した。
モハメド・アリ・トロフィー
 テーブルの上に飾られたアリ・トロフィーだが、ドネアが2人の息子に見せると約束したために恥を忍んで頼み、一晩借りて返しに来たことも関係者の話でわかった。

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