村田諒太の挑戦者はKO率80%のカナダの強打者

　WBA(世界ボクシング協会)ミドル級王者の村田諒太(33=帝拳)の次戦の発表会見が16日に都内のホテルで行われた。村田は、12月23日(月)に横浜アリーナで開催される「FUJI BOXING」nのメインイベントでWBA同級9位のスティーブン・バトラー(24=カナダ)を相手に初防衛戦に臨む。
　対戦相手のバトラーと会見を行った村田は、「前回の試合で良い評判をもらったが、これで満足しているかというとそうではない。まだ、ボクサーとして叶えたい夢があるので、その第一歩となる試合だと思っている」と意気込みを口にした。

　この日、バトラーと初対面した村田は、「スーパーウェルター級で戦っていた選手なのでもっと小さいと思っていたが、ミドル級のフレームだった。肌つやとか表情が若い」と語ると、「WBO1位にランクされている選手で、この選手に勝てば自分の評価も上がる。モチベーションをどう持っていくかが大事。日本人のボクサーの中ではある程度の名声はいただいたが、まだボクサーの中のトップオブトップではない。それを目指して戦っていきたい」とさらなる高みを目指すと誓った。

　世界初挑戦のバトラーは30戦28勝(24KO)1敗1分。17年1月にブランドン・クック(カナダ)にKO負けして以来10連勝中と好調をキープ。長いリーチから繰り出される左ボディを得意パンチとしており、攻撃力の高さが売りだ。一方でガードが甘く打たれ脆い面も持ち合わせている。
　会見のために初来日したバトラーは、「この試合に向けてしっかりと準備を整えて戦い、戦争を起こすつもりだ。負けるつもりはない」と話し、「自分にとってドリームマッチだが、夢で終わらせるつもりはない。番狂わせと言われようが自分が勝つ」と思いを込めた。

　試合が決まってからバトラーの映像を見た村田は、「非常に好戦的で若くて良い選手。自分のスタイルは前回の試合で確立されたので変えることはない。相手はKO率が高いが、先入観を持たず向かい合って感じたい。当日はKO決着になるのではないか」とミドル級ならではの迫力の打ち合いを約束した。
　会見に同席した浜田剛史代表は、「今度に関し、いろいろな報道がされているが、考え過ぎるのは良くないので、今回の試合を確実に良い試合で勝ってほしい」と期待。村田も「先を見すぎると足元を救われるので次の試合にどれだけ集中できるかが鍵となる」と決意の表情を見せた。

　村田の印象を聞かれたバトラーは、「村田は大変、素晴らしい選手だと思っている。彼の持っているパワーを上回らなければならない。タフファイトになることは重々承知している。家族を養うためにも負けられない」と試合への覚悟を口にした。

　会見後に囲み取材に応じた村田は、「この階級で負けたらチャンスが回ってこないのはわかっている。崖っぷちにいる状況は変わらない。試合までの2ヶ月間は自分の心と肉体との戦いになる」とコメント。ベストコンディションでリングに上がると語った。
　スパーリングの予定はまだ立っていないが、すぐにでも始めたいと話した。