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[試合後会見]2019.9.13

伊藤雅雪が復活のリング

 前WBO(世界ボクシング機構)スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(28=横浜光)が13日に後楽園ホールで開催された「FUJI BOXING A-sign.Bee.22」のメインイベント、ライト級10回戦に出場。インドネシア・スーパーフェザー級王者のルーベン・マナカネ(26)と拳を交えた。今年5月に世界王座を失い、超満員に膨れ上がった2005人の観客の前で世界をアピールすることができたのか――。
それでも4度のダウンを奪い勝利
 ライト級での再出発を目指す伊藤は、一回り小さいマナカネに丁寧に左ジャブを突き、早々に距離を掴むと右ボディストレート、左ボディとインドネシア人の腹を攻め立てた。マナカネもブロックを崩さず、伊藤の打ち終わりに左フックを返すが、踏み込んだところで頭が伊藤の右目上に当たり、伊藤は片側の視界を失った。2回以降は距離感を失った伊藤がマナカネの左オーバーハンドに苦戦したが、右アッパー、打ち下ろしの右ストレートを打ち込み続けると3回終盤にラッシュをかけ、続く4回にダウンを奪った。マナカネもしぶとく追い上げを図ったが、6回にアッパー、ストレートとダブルで右を打ち込まれ2度目のダウン。最後は伊藤の渾身の右ストレートでキャンバスに沈んだ。
こんなに腫らしたのは初めて
 再起戦を勝利した伊藤だったが、初回にバッティングで塞がった右目を気にしながら会見に応じた。「3ラウンドまでは中間距離で戦いたかったが、目が見えなくなったので相手の体力を削りにいった。結果としてKOできたのだけが救い。冷静に戦うことができたが、バッティングをもらう自分が悪い」と快勝にも首を捻った。
相手はタフだった
 世界へはアピール不足だと語った伊藤は、「試したいことはもっとあったが残念。それでもまだまだ伸びていく。今日はライト級での試合だったが、チャンスをもらえる階級で挑戦したい」。「11月に長男が誕生するので、将来世界チャンピオンだったと言えるようにまた頑張りたい」と王座返り咲きを誓い、対戦したい相手にWBC世界スーパーフェザー級王者のミゲール・ベルチェル(メキシコ)の名前を挙げた。
ガッツを見せたが…
 一方、4度のダウンを喫し敗れたマナカネは、最後に倒れた際に膝を捻り、セコンドに肩を抱えられ控室に戻った。元世界王者と拳を交えたマナカネは、「イトウはスピードはあったがパワーは感じなかった」とコメントした。
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