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[試合後会見]2019.9.13

日本フェザー級王座戦、新王者はどちらの手に!?

 日本フェザー級王座決定戦が13日に後楽園ホールで開催された「FUJI BOXING A-sign.Bee.22」のセミファイナルで行われ、同級1位の阿部麗也(26=KG大和)と同級2位の佐川遼(25=三迫)が空位の王座を争った。今年5月に初挑戦するも、引き分けで惜しくもベルトを逃した阿部が戴冠したのか、それともタイトル初挑戦の佐川が同時期ジム5人目の日本チャンピオンに輝いたのか――。
佐川が新チャンピオン
 距離の探り合いでスタートした試合は、サウスポー阿部が左ボディストレートを打ち込み先制。ここから佐川もフェイントを駆使して圧力を掛け、右ボディストレートを返した。続く2回も阿部を正面に捉えた佐川がボディ、ガードの上から右ストレートを叩くが、もう一歩が遠く、序盤の技術戦はイーブンの内容だった。4回は阿部の出入りが機能し、左ストレートがカウンターでヒット。リズムに乗りはじめた阿部に対し、佐川も5回は前後左右の細かいフットワークで距離を詰め、左右のショートを打ち込んだ。ジャッジ泣かせのラウンドが続いたが、5回までの採点は2-1の小差で佐川がリード。後半、阿部はジリジリとプレスを掛けチャンスを窺うが、ポジションをキープする佐川に右ストレートを上下に散らされ焦りが生じた。佐川も決定打までは奪えず、終盤まで一進一退の展開が続いた。最終10回は阿部が右フック、左ストレートを打ち込み猛チャージを掛けるが、佐川もここで下がらずに右を返し終了のゴング。判定は1〜2ポイント差で佐川に軍配が挙がり、プロ9戦目での日本王座獲得に成功した。
三迫ジム5人目の日本王者誕生
 タイトル初挑戦で戴冠した佐川はベルトを肩にかけて会見に臨み、「正直、ベルトは程遠いものだと思っていたのでまだ実感がわかない。信じられない気持ち」と感無量の表情。「加藤トレーナーと対策して戦術を考えていたので、指示通りできたと思う。相手の入り際を狙っていた。最後は気迫に巻き込まれてしまったので反省点として次に活かしたい」と試合運び同様、冷静に試合を振り返った。
 三迫ジムはこれで5人同時での日本王者誕生となった。三迫貴志会長は、「選手やスタッフのおかげ。決して派手な試合ではなかったが、よく勝ってくれた。本当に強くなった」と手放しで褒め称えた。
 初防衛戦は日本同級3位の日野僚(29=川崎新田)を予定。ここをクリアすると、さらに10月26日に行われる最強挑戦者決定戦の勝者との防衛戦が続く。佐川は、「阿部選手に勝てて、ひとつの壁を乗り越えることができた。これから防衛し続けたい」と抱負を口にした。
流れはこっちかなと思ったが…
 一方、2度目の挑戦も実らなかった阿部は、「相手は上下に打ち分けてくる右だけだったが、距離が遠かった。ジリジリいくとガードの上からパンチをもらい、踏み込めず試行錯誤しているうちにラウンドが進んでしまった。見栄えが悪かった」と敗戦にショックを隠し切れなかった。
指名挑戦者の日野
 この試合を観戦した日野は、「予想は阿部選手が勝つと思っていたが、佐川選手は距離感が良かった。スリッピングアウェーなどを使いパンチを当てさせない技術があり、右ストレートが強い。ただ、阿部選手よりかは自分の方が噛み合うと思う」と感想を口にした。
採点表

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