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[試合後会見]2019.8.8

息詰まる総力戦を制したのは?

 OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ、王者の勅使河原弘晶(29=輪島功一スポーツ)対挑戦者で元日本バンタム級王者の大森将平(26=ウォズ)が8日に後楽園ホールで開催された「ダイヤモンドグローブ」のメインイベントで行われた。真夏のサバイバルマッチを観戦するため、トップ選手が集結。至極の一戦を見守るなか、勝利の女神はどちらに微笑んだのか――。
勅使河原2度目の防衛に成功
 初回、中間距離で激しいペース争いが繰り広げられる中、勅使河原が右を伸ばすのに対し、サウスポーの大森は相手の動きをじっくりと見た。2回、大森は右フックを好打するが、勅使河原も怯まず右ストレートを決めて応戦。4回、リズムを掴んだ勅使河原は右を軸にコンビネーションを決めた。4ラウンド終了時の公開採点は39-37×1、40-36×2で勅使河原がリード。6回、大森はワンツーで腰を沈めさせるが、勅使河原はここを踏ん張ると右をねじ込み連打で追い詰めた。8回終了時の公開採点は78-74×1、79-73×2でやはりチャンピオンがリード。すると10回、ポイントで劣勢の大森はボディ攻撃でコーナーに詰めて連打を浴びせ反撃し、勝利への執念を見せたが、勅使河原も攻撃の手を緩めず、パンチをまとめてふらつかせると、12回に連打でストップを呼び込んだ。
勝てて安心している
 サバイバルマッチを勝ち抜いた勅使河原は、「後半に倒そうと思っていたのでイメージ通りだった。技術でも勝っていたのでもっと早く倒せていた。勝って反省できるのは良いこと。試合前は負ける夢を見たりして本当に怖かった。この試合にすべてをかけていたので本当にうれしい」と話し歓喜の涙を流した。
冷静に戦うことができた
 さらに勅使河原は、「相手がアッパーを打とうとしているのが分かったので右フックを合わせた。このパンチは試合前に長谷川さん(長谷川穂積氏)に教えてもらったもの」と神戸での特訓の成果を口にすると、「(相手は)前半ポイントを取られて焦っているのが分かった。相手のボディ打ちをブロックしたら後手に回るので距離で外すことを意識した」と会心の勝利に胸を張った。
 今後の展望について聞かれた勅使河原は、「この試合に勝つことだけを考えてきたので次のことは考えていないが、国内のスーパーバンタム級の選手で僕がトップだと思う。これからも決まった試合を倒して勝っていきたい」と飛躍を誓った。
今後のことはゆっくり考えたい
 一方、右目上の治療を終え控室に戻った大森は、しばしの沈黙後、「う〜ん、これがボクシングやな」と呟いた。「想像以上に距離とリズムがやりずらく、序盤に見てしまった。その後でボディはよく効かせたが、変に相手のリズムに付き合ってしまったのが敗因」と試合を振り返り、「技術云々は分からないが、彼の気持ちの強さは世界レベル。単純に強かった」と王者を称えた。
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