ロマチェンコ圧巻の2冠防衛戦

　米国・ロサンゼルスで12日(日本時間13日)に決行されたWBA(世界ボクシング協会)&WBO(世界ボクシング機構)ライト級タイトルマッチ。王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)vs元同級世界王者、現WBA1位&WBO同級10位のアンソニー・クローラ(英国)の2冠戦。そしてセミファイナルのWBO世界スーパーミドル級王者ヒルベルト・ラミレス(メキシコ)ライトヘビー級進出試合が、会場となったステイプルズ・センターに10,101人の観衆を集め開催された。

　2冠王者ロマチェンコはいつものサウスポースタイルからプレッシャーをかけると、挑戦者クローラはガードを高く上げて警戒する動きをみせた。静かな立ち上がりとなった初回から続く2回はロマチェンコが早くもコンビネーションで流れを自分のものとする。そして3回の終わり頃にはラッシュでクローラをロープ際で釘付けにし、レフェリーがロープダウンをとった。しかし、ロマチェンコはストップ勝ちと勘違いをしてコーナーに上がってしまう場面もみえた中、カウント8からの再開直後にゴングが鳴った。そうして迎えた4回、開始からロマチェンコが攻め立てクローラは防戦一方のサバイブ状態に、そして連打から右フックをテンプルに叩き込むとクローラは前のめりに倒れ、レフェリーストップ。ロマチェンコが4回58秒TKO勝利でWBAが2度目の、WBOは初防衛として成功を収めた。
　試合終了後のインタビューでは次の試合の相手として、WBC(世界ボクシング評議会)同級王者のマイキー・ガルシアの名前を挙げたロマチェンコの戦績は14戦13勝(10KO)1敗、完敗となってしまったクローラは44戦34勝(13KO)7敗3分とした。

　ライトヘビー級10回戦となるラミレスの転級初戦は、元世界ランカーのトミー・カーペンシー(米国)を相手にサウスポー対決となった。ラミレスは体格でもひけをとらず、決定的な一発は打込めなかったものの、試合のペースを掴み4回までポイントを抑えていった。すると4回終了後、カーペンシー陣営は棄権を申し出て試合は終了。ラミレスが4回終了TKO勝利となった。
　今後、ライトヘビー級に留まるのか、WBOスーパーミドル級タイトルを保持し続けるのか、動向が注目されるラミレスの戦績は40戦全勝(26KO)、これからというところでいきなりの試合放棄となったカーペンシーの戦績は37戦29勝(18KO)7敗1分となった。