因縁の二人は目を合わせず

　3月1日(木)に両国国技館で開催される前WBC(世界ボクシング評議会)バンタム級王者の山中慎介(35=帝拳)と現王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)の世界戦リマッチまで3日と迫った26日、都内のホテルで予備検診が行われた。両者は立場を変え昨年8月以来の対面となったが、互いに視線を合わせず。因縁の対決を象徴させた。

　先に会見に臨んだ山中は、12度守り抜いたベルトを奪ったネリの印象を問われ、「以前と変わらず、体が細く小さい」とコメント。自身のコンディションについては「しっかりと食べて練習ができたので、前回の試合よりも元気だと思う。試合当日まで気を抜かずに調整したい」と万全の仕上がりを強調した。

　山中を指導する田中繊大トレーナーも「ネリは以前のように力強いはず。今回はそれを想定して練習をしてきたので、良い試合になる」と自信を示し、浜田剛史代表も「前回の山中は絶好調だったが、今回はモチベーションが違う」と期待した。
　最後に挑戦者として試合に臨む山中は、「長男からはあと何日で試合だねとカウントダウンをされる。しっかりと勝って強いパパを見せたい」と気合いを入れた。

　一方、13人のチーム編成が17人に増えたネリ陣営。栄養、体調面とも完璧な管理体制で調整を進め、来日時4kgオーバーのウェイトも残り2kgと順調のようだ。半年振りに対面した山中について、「良い状態にあると思う。でもプレッシャーはまったく感じない」と時折笑顔を交えながら答え、「私も非常に調子がよく気持ちも落ち着いている。タフな試合はもちろん覚悟しているが、私は勝つために日本に来た」と初防衛に絶対の自信を示した。

■検診結果
王者:ルイス・ネリ
身長:165.0cm
頸周:39.5cm
胸囲:91.5cm
リーチ:169.0cm
血圧:108/56mm/Hg
脈拍:69min
体温:37.0℃

挑戦者:山中慎介
身長:170.0cm
頸周:37.0cm
胸囲:88.0cm
リーチ:174.0cm
血圧:142/82mm/Hg
脈拍:76/min
体温:36.7℃