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7月28日に中国の国民的英雄、五輪2大会連続金メダリストでWBO世界フライ級王者ゾウ・シミンを完全アウェイで破る快挙をはたした木村翔(28=青木)に4日、都内の日本ボクシングコミッション(JBC)事務局でベルトの授与がされた。
重いベルトに責任感も増す
日本人36年ぶりとなる敵地での世界王座奪取。11回TKO勝ち、歴史的なアップセットから1週間、試合で負傷した右目上に絆創膏をつけて姿を現した木村は、JBC安河内事務局長からベルトを手渡され、「とても重い。WBOアジアパシフィックのベルトは持っているが光具合が違う。こうしてベルトを手にすると実感が湧く。何より責任を感じる」と感激した。
試合後のゾウはとても紳士的だった
傷は9針縫ったほど長く深く、レフェリーストップで負傷判定負けしてもおかしくはない状態だった。あからさまに地元びいきをする中国にあって、フェアな裁定と何より紳士的だったゾウに感謝した。試合後も中国での反響は大きく、中国メディアの取材オファーもすでに10社を超える。今月23日には中国・上海で行われるイベントにも招待されているそうだ。帰国後に声を掛けられる割合も中国人、日本人で10:0。今後の課題は国内での知名度を上げることと木村は笑った。
まずは傷をしっかり直すことが先決
今後のプランについて有吉将之会長は、「指名戦かゾウとのリマッチかは流動的。興行権は中国側にある」と話す。1位には五十嵐俊幸(帝拳)がつけるが、指名挑戦者になるかはWBOの決定待ち。これに木村は「誰とどこでも構わない。一戦一戦やるだけ」と話し、WBA王者の井岡一翔(井岡)、WBC王者の比嘉大吾(白井・具志堅)との統一戦にも前向きだった。
迷惑ばかりかけた亡き母に感謝
「最後は練習をしてきたことが無意識にでた。11ラウンドの映像は何度見ても飽きない」と笑顔で振り返った木村は、「ファイトマネーは借金返済でパー。自分へのご褒美は初防衛以降になる」と苦笑い。だが何よりの喜びは、20歳の時に亡くなった母の墓前にベルトを持って報告できることだ。「産んでくれてありがとう」と。