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昨年12月に決定戦を制し日本ライト級王座を獲得した土屋修平(30=角海老宝石)が、4日の後楽園ホールで指名挑戦者で同級1位の西谷和宏(29=VADY)を迎え初防衛戦に臨んだ。前日計量でKO決着を予想した両者は、土屋が右ストレートから左ボディへと打ち分ければ、長身の西谷も懐の深さを見せつつ積極的に応戦。序盤から会場を沸かせた。
喜びの西谷陣営
突破口を開きたい土屋は5回に右のカウンターでダウンを奪ったが、この回終了時の公開採点は三者とも47対47のイーブン。この採点を聞いて土屋が圧力を増し前に出ると、8回に左ボディブローを好打。しかし、背中を丸めた西谷はひるまず攻め返すと、右足を踏み込んでの左アッパーを突き上げ、王者から値千金のダウンをゲットした。再開後はダメージが残る土屋を連打で攻め立てコーナーに詰めると、最後も左アッパーでフィニッシュ。王者がゆっくり崩れ落ちると同時にレフェリーが割って入り、西谷が8回TKO勝ちで日本王座を奪取した。
倒れたことも覚えていない
痛恨のKO負けで初防衛に失敗した土屋は「試合内容をまったく思い出せない。こういう経験は初めてで本当に恥ずかしい」と苦笑いを浮かべた。「今日は入りから流れが悪かった。もっと良いところを見せたかったのですが…、すみません!」と肩を落とした。
作戦がズバリはまったと西谷
一方、2度目の挑戦で念願の日本タイトルを手にした西谷は、「倒された後は気持ちが折れそうになったが、スタミナが切れるまで打とうと前に出た。スイッチしての左アッパーは土屋対策として死にもの狂いで練習してきたもの。あれで決まらなければ終わりだと思ったが、どんぴしゃでハマってくれた」と喜び、これまで支えてくれた妻の華美さんとジムに感謝。今後も老獪なテクニックに磨きをかけ、「ボクシング人生はここからがスタート」、さらに上を目指していきたいと抱負を語った。
荒川仁人
この試合を観戦した前日本同級王者でWBOアジア・パシフィック同級王者の荒川仁人(35=ワタナベ)は「挑戦者の方がこの試合にかける気持ちが強かった。王者が隙を見せたのを逃さなかった」と感想を口にした。
塚田祐介
また、かつて西谷と拳を交え判定勝ちしている日本同級9位の塚田祐介(28=吉祥寺鉄拳8)は「西谷選手が距離と取ったり、スイッチ で変化をつけて戦っていた。ボディが効いていたのにあそこから盛り返す気持ちの強さに感動した。関西に乗り込んでも挑戦したい。是非僕を指名してほしい」と早くも挑戦者に立候補した。