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超満員に膨れ上がった師走の後楽園ホール。「ダイナミックグロ―ブ」のメインイベントでは日本スーパーフェザー級タイトルマッチ、チャンピオン尾川堅一(28=帝拳)と同級1位内藤律樹(25=E&Jカシアス)が対戦した。前売りチケットが完売。当日券を求める行列ができたという注目の一戦は、初回から緊張感溢れる攻防を見せた。
採点表
初回から尾川が迷うことなくプレスをかけて右をヒットしペースを掌握。序盤、動きの固い内藤は左を伸ばすが尾川は良く反応して被弾を回避した。その後は一瞬も目が離せないスリリングな展開で前半戦を終了。5ラウンド終了時の公開採点は3者ともに48-47で尾川がリード。6ラウンドになると手数の減ってきた尾川に内藤の左が機能しポイントを挽回した。追いつかれた尾川は8ラウンドから左フックをボディに集め足を止めにかかると、右ストレートで膝を揺らし試合の山場をつくった。最後は両応援団が大声援を送る中、お互いに一歩も引かない打ち合いで試合終了のゴングを聞いた。採点は3者ともに96-94で尾川を支持し3度目の防衛に成功するとともに再び内藤を退けた。
ジャブを外せたのが勝因
勝利を収めた尾川は「すごく緊張した。点数は50点。最初に飛び込んだのは自分の距離をつくりたかったから。あれがあったから自分のリズムでできた。ただ、そこからの組み立てが必要。左ボディが良かったのでもっと練習していきたい。内山高志さんのようにボディで削って倒せるようにしていきたい。勝ちに徹してしまい守りに入ってしまった。すみませんでした」と反省の弁を口にした。内藤の印象を「前より警戒しているのがわかったので楽に戦えた。力んでいるのがわかったが、こっちも力んでいた。8回に右ストレートに手応えを感じたが倒れなかった」と語った。「勝ってベルトが戻ってきたので良かった。これで家族で笑って年が過ごせます」と最後は笑顔で会見を締めた。
悔しさをにじませた
一方、リベンジをはたすことができなかった内藤は「結果は受け入れます。どっちつかずのラウンドばかりだったと思う。それなら自分の特徴を活かしたボクシングをした向こうにポイントが流れても仕方がない。もっとジャブを出していきたかったが、よく対策をしてきたと感じました。情けないですね。もっと他にも色々と持っているんですが…」と敗戦を受け入れたが自分のボクシングができなかった悔しさから唇を噛んだ。
伊藤雅雪(伴流)
この試合を南側で観戦したOPBF東洋太平洋同級王者の伊藤雅雪(25=伴流)は「前半は尾川選手がもっとポイントを取っていたかなと思ったし、逆に後半はリッキーが(ポイントを)取ったかなと。リッキーは3ラウンドまで動きが固かったがその割にはポイントを失っていなかった。尾川選手が後半、前に出れたのは精神的スタミナがあるからだと思う。尾川選手の良いところも悪いところも見えた試合。絶対王者ではないが8オンスのプロのボクシングに合っている選手だなと感じた。僕もみんなが観たいと言ってもらえる試合をしていきたい」とコメントした。
伊藤は大晦日にWBOアジアパシフィック王者の渡邉卓也(青木)との王座統一戦を控えている。
伊藤は大晦日にWBOアジアパシフィック王者の渡邉卓也(青木)との王座統一戦を控えている。
杉田聖(奈良)
この試合を観戦した今年の最強後楽園の覇者で、来年のチャンピオンカーニバルで2度目の王座挑戦が予定されている日本同級2位の杉田聖(26=奈良)は「次に戦うかもしれないので集中して観ていたので疲れました。尾川選手のプレスとパンチの強さ、内藤選手のスピードとディフェンスの良さが出ていたと思う。尾川選手は一発当てると力んでいたが、8ラウンドからガードを固めて違う攻め方をしてきたので上手さを感じた。できればまた(尾川選手と)やりたいですね」と試合の感想を語り、来年に再び拳を交えたいと希望した。
同じくこの試合を観た元日本同級王者で現在は3位につけている金子大樹(28=横浜光)は「尾川選手のパワーが勝りましたね。右ストレート、左フックで動きを止めて倒すかなと思いましたが、そこで止まってしまったので勿体ないなと思いました。内藤選手も時折リズムに乗って本来のボクシングをしてましたが、倒したいという欲があるのか自然と尾川選手が当てやすい距離に入ってしまったのかなと感じました。自分も来年は世界へのチャンスを広げるためにもう一度日本タイトルを獲り、さらに上のランカーたちに挑戦していきたいです」と試合を分析し、自らの飛躍を誓った。
同じくこの試合を観た元日本同級王者で現在は3位につけている金子大樹(28=横浜光)は「尾川選手のパワーが勝りましたね。右ストレート、左フックで動きを止めて倒すかなと思いましたが、そこで止まってしまったので勿体ないなと思いました。内藤選手も時折リズムに乗って本来のボクシングをしてましたが、倒したいという欲があるのか自然と尾川選手が当てやすい距離に入ってしまったのかなと感じました。自分も来年は世界へのチャンスを広げるためにもう一度日本タイトルを獲り、さらに上のランカーたちに挑戦していきたいです」と試合を分析し、自らの飛躍を誓った。