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[試合後談話]2016.11.11

世界王座17度目の防衛戦

 WBC世界女子アトム級チャンピオン小関桃(青木)が17度目の防衛戦に臨んだ11日の後楽園ホール。挑戦者は前に出るボクシングで毎試合ガッツを見せる日向野知恵(S根本)。両陣営の応援合戦がボクシングの聖地を包んだ。
4ラウンドTKO
 試合はサウスポーの絶対王者、小関桃が常に先手を打つボクシングで前に出てくる挑戦者を相手に随所でカウンターを合わせて主導権を握ると、左ストレートにつなぐコンビネーションで貫禄を見せた。
 試合後、4ラウンドの途中で試合を止めた韓国出身の女性レフェリーは「素晴らしいファイティングスピリッツだった」とストップされるまで闘志を見せた日向野の健闘ぶりを称えた。
小関桃(青木)
 控室に戻った小関は、「初回から単発の左ストレートが当たったので2発、3発と続けることができた。細かいところで修正点はありますが、最悪ぐちゃぐちゃの展開も予想していたのでまずまずの出来」と1年ぶりの防衛戦の勝利に喜び、挑戦者が現れないなかでの苦しかった思いを吐露した。
 階級をあげることも示唆している小関は、「長く苦しい1年間でした。これでやっとまたスタートラインに立てたと思う。長くしばられていたものから開放された気分。これで新しい扉が開くのかな」と笑顔を見せると、有吉将之会長も「相手がいるのならもちろん18、19とやりたいが、新しいチャレンジも積極的に視野に入れていきたい」と意見を一致させた。だが、小関はやはり愛着のあるWBCのベルトを手放すことには迷いがあるとも話し、「私にとってはアトム級がベストウェイト。本当の世界一になれるのはこの階級なので気持ちはすごく揺れている」と複雑な胸の内を明かした。
日向野知恵(S根本)
「緊張はしなかった。実力差があるとは思っていたが実力差どおり4ラウンドTKOで負けてしまって悔しい」と涙したが「今後に向けて足がかりになる部分もあった。空振りして倒されるイメージもあったが、自分のパンチを当てることもできた。左に回って左ボディから攻めたかったが、左に回れなかった」と17回目の防衛に成功したチャンピオンとの手合わせに自信もつかみつつ、課題を見つけた。職場やジムの仲間に支えられたという日向野、「みんなの協力があってこのリングに立てた」と感謝の弁で締めくくった。
江畑佳代子(ワタナベ)
■元東洋太平洋女子フライ級王者
■江畑佳代子(ワタナベ)
「桃ちゃんはさすがだと思った。相手を見て的確にパンチを当てていたし、自分から手を出していた。10ラウンドまでやっていても手数は減らなかったと思う」とV17を達成した小関を称えた江畑佳代子(ワタナベ)は「日向野さんとはスパーもしたことがあるが、打たれても怯まず攻めてくる。でも、今日は桃ちゃんの精密なボクシングが優った。日向野さんはまだまだ成長していくと思うのでこれからも頑張って欲しい」とチャレンジャーを労った。
柴田直子(ワールドスポーツ)
■IBF女子世界ライトフライ級王者
■柴田直子(ワールドスポーツ)
「圧勝でしたね。日向野さんも打たれ強さを見せましたが、初回からモモちゃんのペースでちょっと差がありましたね。階級を上げたとしても彼女ならやっていえると思いますよ」。

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