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[試合後会見]2015.2.10

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 入場者数1448人との発表があった9日の後楽園ホール。超満員の観客に瞬きすら許さなかった日本スーパーフェザー級タイトル戦。チャンピオン内藤律樹(E&Jカシアス)と同級1位の挑戦者、伊藤雅雪(伴流)による無敗対決は期待以上のビッグマッチとなった。
採点表
 序盤から見えない駆け引きとスピードボクシングで会場を盛り上げた決戦。ハイレベルな一進一退の攻防は、最後まで主導権争いが続いた。5ラウンド終了時の公開採点が明暗を分けたこの試合。リードを確実にしたと思った伊藤と1ポイント差以内に付けたと感じた内藤。後半戦は、前に出て先に仕掛けた内藤が、組み立てに戸惑いを覚えた伊藤のボクシングを封じ込めに掛かった。判定決着となった注目の一戦。ジャッジは2-0でチャンピオンを支持した。
笑顔で会見の内藤
 「強かった。今までにいないタイプですね」開口一番、内藤はホッとした笑顔で報道陣を控え室に迎え入れた。「いつもなら3回までに一発は当てれるのに、今日は最初にパンチを当てたのは5回か6回でした。右(ジャブ)が当たらないので、左(のパンチ)が流れた」と試合前半を振り返ると「5回が終わった時の採点は、ドローかな、と思ったけどポイントを取られていたので、前に出るしかなかった」と後半戦に入る前の心境を明かした。
 「パンチは見えていましたが、速かったですね。あの速さは試合では初めてですね。カウンターの鋭さはなかったけど、避けるのが上手くて目がいいですね。手でブロックしないで、体で避けられました。辛かったけど面白かったです。途中で左フックをアッパーに変えてきたのはすごいと思いました。一年前の自分では勝てなかった。もう一度戦いたいですね」と伊藤の印象を語った。
 自身のボクシングが容易に出来ない中での勝利を「勝ってよかった」と素直に喜んだ内藤だが「7回に左が当たらなかったら危なかった」と、それまでカウンターを狙いにきていた伊藤に警戒心を植付け、リズムを狂わせることとなった試合のターニングポイントを明かした。
 今後に関して「伊藤選手よりも評価の高い選手とやりたいです」と話すと「誰との試合が見たいですか?」と逆取材した内藤に「ジョムトーン」と報道陣から声が上がると「国内では金子(大樹)選手。(東洋太平洋チャンピオン)ジョムトーンもやりたいですね。いいマッチメークをしてもらえると思うので、頑張ります」と会見を締めくくった。
悔しさが残る伊藤
 惜しくも敗れ、18戦目にして初黒星を喫した伊藤。「判定に不満を言うわけではないが、5Rまではもう少しポイントが取れていると思った」と話し、途中採点を聞いて6、7ラウンドに迷いが生じたと振り返った。続けて「もう少し右フックを織り交ぜたかったが、それをさせてくれない上手さがチャンピオンにあった。接近戦もすぐにホールディングと見られてしまい、くっついて打つことができなかった。効いたパンチもほとんどなかったが、ジャブの受け方、見栄えが悪かったと思う。すべて『たられば』ですが、やりきれない思いが強い。負けたら終わりのつもりでやってきただけに、自分にがっかりしている」と語り、唇を噛んだ。それでも内藤については「気持ちの良い選手。戦えて良かった」と称えた。
土屋修平
 リングサイドで観戦した土屋修平(角海老宝石)は「神経戦を内藤選手がしっかり勝ちましたね。強いですね。内藤選手か伊藤選手のどちらでもいいです。明日にでも試合がしたいです」とコメントを残して後楽園ホールを後にした。
仲村正男
 同じく生観戦を終えた仲村正男(渥美)は「内藤さんと試合がしたいです。ホンマにやりたいです。毎ラウンド最後まで駆け引きが続きましたね。その分、ゴングでチャンスがつかめないまま終わりましたね。内藤さんは伊藤選手にボクシングをさせませんでしたね」と試合の印象を語った。
 日本を代表する二人の世界チャンピオンが待ち受けるスーパーフェザー級。国内線戦もますます熱くなってきた。この日は判定による勝敗がついた内藤と伊藤の対決だが、会場を包んだ大きな拍手は、両者の12ラウンドによる対決を期待するアンコールだったのではないだろうか。

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