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今年6月の王座決定戦で、フィリピンの怪腕アーデン・ディアレと壮絶な打撃戦を制し、OPBF東洋太平洋フライ級王座を獲得した江藤光喜(26=白井・具志堅)が、26日の後楽園ホールで元WBCユース世界王者の指名挑戦者クリス・ポリーノ(21=比)を迎え、初防衛戦に臨んだ。光喜は10日後の12月7日に挙式(3月に入籍)を控え、負けられないプレッシャーのかかるなかでの防衛戦となった。
左の親知らずが
立ち上がりから距離を支配した長身の光喜だが、3ラウンドにサウスポー挑戦者の逆襲に会い、ここで左の親知らずを折ってしまう。以降、歯を食いしばれず、無理に行くことは出来なかったが、ロングの右ストレートは当て続け、途中採点でもリードを続けた。「前回の試合は喧嘩、今回は歯が折れたおかげかも知れないが、ボクシングが出来た。ペースを掴めばやりやすい相手で苦労はしなかった」。光喜は試合後のこの言葉通り、歯を折った以外はほぼノーダメージで試合を進め、最後は10ラウンド、セコンドの「コンビネーションで攻めろ」の指示を実戦。左右の連打から右ボディ、さらに返しの左フックを直撃させダウンを奪った。これで力尽きたポリーノは、立ち上がるもファイティングポーズが取れずに10カウント。光喜が10ラウンド2分53秒KOで見事初防衛をはたした。
志は高く
試合後、新妻のさくらさん(25)に勝利を届けた光喜は、ファンに結婚の報告をし祝福を受けた。さらにマイクを握り、具志堅用高会長に「もう東洋を防衛するつもりはありません。世界をやらせてください」と直談判。最愛のさくらさんに今度は世界ベルトを贈ると誓った。
世界を目指す
控え室に戻った光喜は、「あの状態でダメージをもらわずに倒せたことは収穫。久しぶりに自信になった」と、まずは安堵の笑顔。続けて「フィジカルを強化し、バランスが良くなった」としたがその分、今回の減量はかなりきつかったらしく、フライ級で続ける限りは落とし方が今後の問題となりそうだ。改めて「日本とOPBFには興味がない。世界が出来るなら誰が相手でもいい」とした光喜は、前回はタイでWBA世界フライ級暫定王座を獲ったが、今度は日本で、さらに出来ることなら地元・沖縄での世界戦を実現させたいとの野望を口にした。
江藤は強かったとポリーノ
一方、2敗目を喫したポリーノは、「ポイントで負けているのが分かっていたので、挽回するための一発を狙っていた。最後はローブローだった」と悔しさを見せながらも、「江藤は今まで戦った日本人選手の中で一番強い。とくに右ストレートが強かった」と称え、チャンスがあればまた戦いとコメントした。
試合後に健闘を称えた大喜とゾレン・パマ(比)
また、今年4月に日本スーパーフライ級王座決定戦で戸部洋平(三迫)に敗れた光喜の双子の弟・大喜(白井・具志堅)も、フィリピン人選手を相手に再起2戦目に臨んだ。初回にダウンを奪いながらも、判定までおよんだことについて「最初の左フックで終わったと思ったが、倒せなかったのでポイントを取りに行った。セコンドの指示も普段より聞けたし、冷静に試合ができた」と振り返り、課題にはガードを挙げた。それでも勝って光喜に繋げられたことを喜び、「まずは日本タイトル」と王座再挑戦に向けて闘志を燃やした。