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後楽園ホールで30日、東洋太平洋ミニマム級タイトル戦が行われた。チャンピオン、原隆二に挑んだのは、原と同じ大橋ジムに所属している井上拓真とアマチュア時代にライバル関係にあった、中京の怪物、田中恒成(畑中)。赤コーナーのリングサイドには、八重樫東や井上兄弟の姿もあった。
ニューヒーロー誕生
ジャブの差し合いから先に仕掛けたのは王者・原。やや固い田中に対し優勢に試合を進める。3Rはスリリングな接近戦となるが、田中はパワーで勝る原に対して下がらず。原もスピードで劣ることなく、田中と同等の速さと細かい動きを見せ、互いの持ち味を発揮する激しい攻防が続く。4Rの途中採点は3者ともに38-38でイーブン。5R、田中が原にロープを背負わせ見せ場を作ると、6Rには原が田中を追い込み見せ場を作る。8R、再びパンチをまとめた田中。ラウンド終了時の途中採点は、2者が76-76とするも1者が77-76で田中がリード。9Rには右アッパーで足を折った原に、またもや田中が連打でダウン寸前まで追い込む。原もパンチを返したが、10Rにも連打を浴び、コーナーに釘付けにされたところでレフェリーストップ。田中が「怪物」ぶりを発揮し、プロ4戦目でのタイトル奪取となった。
勝っても慎重な田中
初タイトル戦を制した田中は「慌てなかったが、原選手のプレスは強かったです。不用意にパンチを出してしまった時の返しが強かった。過去3戦、足を使う試合が多かったが、今回は意識して前に出るようにしていた。色々な面で固さもあったし、余裕を持った展開ではなかったと思います。ボクシングの出来としては良くなかったと思うけど、会場を盛り上げるボクシングが出来たという意味では良かったです」と試合を振り返った。
4戦目でのタイトル載冠について「タイトルとの戦いではなく、原選手との戦いとしか考えていなかった。小学生の時から見て、強い選手だと思っていたので、今までで一番辛く、大変な試合になると覚悟していました」と明かした田中は「なんだかんだで、ここまで来たので、なんだかんだで、これからもやっていきます。4勝目なので、これからコーラ4杯でお祝いします」と笑顔で語った。
4戦目でのタイトル載冠について「タイトルとの戦いではなく、原選手との戦いとしか考えていなかった。小学生の時から見て、強い選手だと思っていたので、今までで一番辛く、大変な試合になると覚悟していました」と明かした田中は「なんだかんだで、ここまで来たので、なんだかんだで、これからもやっていきます。4勝目なので、これからコーラ4杯でお祝いします」と笑顔で語った。
次は世界か!?
「1Rは取りにいく予定が取られてしまった。反省点はあるが、全勝の王者倒したので合格点です」会見に同席した畑中清詞会長は「世界戦は来年の春か夏にできたらいいですね」と笑顔を見せた。
長い沈黙が…
控え室に戻った原。長い沈黙があった。「気持ちで負けました。スタートが良かったので、いけるかと思ったんですが、技術的にも気持ちでも相手の方が強かったです」こう切り出すと、リングを降りた後も鳴り止まなかった1275人の大歓声と大きな拍手を思い出したのか「見返したい気持ちでリングに上がった。2か3ラウンドにもらったパンチで効いてしまって、足が止まった。接近戦でも相手はガードしてきた。上手かった」と、激闘を振り返った。
光るものを見た。
「ゆっくり休んで考えたい」と今後について話した原に、赤コーナーで試合を見つめた大橋秀行会長は「負けるなら一方的に負けるかと思ったが、ここニ、三年で一番いい試合をした。いけるかな、と思った」と労った。