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[試合予定]2014.6.30

7月 海外の試合予定

 7月も注目カードが多く組まれている。最注目は12日のエリスランディ・ララ(31=キューバ/米)対サウル・アルバレス(23=メキシコ)の155ポンド(約70.3キロ)契約のノンタイトル12回戦だろう。WBAスーパーウェルター級王座を持つサウスポーのララと、強打に定評のある前WBA、WBC王者アルバレス。勝者が次なるビッグマッチに駒を進めることになる。オッズは3対2でアルバレス有利と出ているが、接戦が予想される。26日、米国ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行われるゲンナディ・ゴロフキン(32=カザフスタン/独)対ダニエル・ゲール(33=豪)のWBA世界ミドル級(スーパー)タイトルマッチにも注目したい。
★7月6日、グロツニー(露)
WBA世界ヘビー級王座決定戦
ルスラン・チャガエフ(ウズベキスタン/独)
VS
フレス・オケンド(プエルトリコ/米)

★7月10日、マイアミ(米)
IBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
アルへニス・メンデス(ドミニカ共和国/米)
VS
ランセス・バルセレミ(キューバ/米)

★7月12日、ラスベガス(米)
スーパーウェルター級超12回戦
エリスランディ・ララ(キューバ/米)
VS
サウル・アルバレス(メキシコ)

WBA世界スーパーライト級暫定タイトルマッチ
ヨアン・ペレス(ベネズエラ)
VS
マウリシオ・ペレス(米)

WBO世界バンタム級タイトルマッチ
亀田和毅(亀田)
VS
プンルアン・ソー・シンユー(タイ)

NABF北米スーパーフェザー級タイトルマッチ
ファン・マヌエル・ロペス(プエルトリコ)
VS
フランシスコ・バルガス(メキシコ)

フェザー級10回戦
アブネル・マレス(メキシコ/米)
VS
ジョナサン・オケンド(プエルトリコ)

 スーパーウェルター級のWBA王者ララと、前WBA、WBC王者アルバレスがノンタイトル12回戦で雌雄を決する。技巧派の強打者というカテゴリーに入るララは22戦19勝(12KO)1敗2分のサウスポー。2試合前のアルフレド・アングロ(メキシコ)戦では2度のダウンを喫するなど打たれた場合の耐久性に課題は残しているが、総合的には高い戦力を備えている。一方のアルバレスは試合の6日後に24歳になるタレント性豊かな若武者で、年齢の割に45戦43勝(31KO)1敗1分と経験値も高い。敗れはしたもののフロイド・メイウェザー(米)とも対戦経験があり、今回の試合を突破すれば来年にも再戦が具体化しそうな気配だ。そのほかシェーン・モズリー(米)、アルフレド・アングロ(メキシコ)、オースチン・トラウト(米)、カーミット・シントロン(プエルトリコ)といった元世界王者とも手合わせしている。頑丈な体を生かして圧力をかけ、上下のコンビネーションを叩きつけて粉砕する好戦派といえる。3対2のオッズが示すようにアルバレス有利は動かしがたいが、この元王者が優れたサウスポーとの試合に関して経験が十分ではないという点は気になるところだ。トラウトの技巧の前に苦戦を強いられているだけに、一抹の不安は拭えない。ララが先行するような展開になると番狂わせの可能性が膨らみそうだ。
 ペレスはエレラを迎えて2度目の防衛戦に臨む。敗れたとはいえエレラは3月にWBA、WBC王者ダニー・ガルシア(米)に大善戦しているだけに侮れない。ジャッジ泣かせの接戦が予想される。戦績はペレスが22戦19勝(13KO)1敗1分1無効試合、エレラは24戦20勝(7KO)4敗。
 亀田は2代前の王者プンルアンを相手に2度目の防衛を狙う。試合当日が23歳の誕生日でもある亀田はスピードと足で相手をコントロールしながら一気に攻め込むチャンスを待つことになりそうだ。
戦績は亀田が29戦全勝(18KO)、指名挑戦者のプンルアンは48戦46勝(31KO)2敗。
 ロペス対バルガスも好カードだ。37戦34勝(31KO)3敗の元2階級制覇王者ロペスは数字が示すとおりのサウスポーのハードパンチャーだが、打たれ脆さも併せ持つ。一方、29歳のバルガスは08年北京五輪ライト16強のエリートで、ここまで19戦全勝(13KO)と全勝街道を走っている。04年アテネ五輪出場の経験を持つWBO4位のロペスが意地を見せるか、それともWBO2位のバルガスが存在感を示すのか。

★7月19日、マカオ(中国)
WBA、WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)
VS
ソッド・ゴーキャットジム(タイ)

フライ級10回戦
ブライアン・ビロリア(比/米)
VS
相手未定

フライ級10回戦
ゾウ・シミン(中国)
VS
ルイス・デラ・ローサ(コロンビア)

 サウスポーのリゴンドーは秀でたスピードとスキルを誇る2団体統一王者で、これが通算7度目の防衛戦となる。打たれた場合の耐久力に問題はあるものの、ここまでのプロ13戦(全勝8KO)では大きな綻びをみせずに来ている。ただし、米国のHBOテレビから「万人を引きつける魅力に欠け、試合がエキサイティングではない」とダメ出しを受けるなどタレント性という点では課題を残している。
今回の挑戦者ソッドは66戦63勝(28KO)2敗1分というみごとなレコードを残しているが、過去2度の世界戦ではダニエル・ポンセ・デ・レオン(メキシコ)に連敗している。それも05年(12回判定負け)、06年(1回KO負け)と遠い過去のこと。年齢も37歳と峠を過ぎた感は否めず、多くを望むのは難しいかもしれない。この試合を最後にトップランク社、HBOテレビとの縁が切れるといわれるリゴンドーがスピードとテクニックで圧倒しそうだ。
 プロでの世界的実績は皆無ながら、11月にもライトフライ級で世界挑戦が計画されているゾウは、これが5戦目。2月の試合で初めてKO勝ちを収め、自信を増して前哨戦に臨むことだろう。相手のデラ・ローサはミニマム級都ライトフライ級で計3度の世界挑戦経験を持っているが、昨年9月にはモイセス・フェンテス(メキシコ)に初回TKOで敗れるなど力量には疑問符がつく。ゾウにとって世界挑戦に向けてアピールするには絶好の相手かもしれない。戦績はゾウが4戦全勝(1KO)、デラ・ローサは27戦23勝(13KO)3敗1分。

★7月19日、ペルー
WBA世界スーパーバンタム級暫定タイトルマッチ
ネオマール・セルメニョ(ベネズエラ)
VS
カルロス・サンブラノ(ペルー)

★7月26日、マンチェスター(英)
WBOインターナショナル、EBU欧州、英国ヘビー級タイトルマッチ
タイソン・フューリー(英)
VS
ディレック・チゾラ(ジンバブウェ/英)

★7月26日、ニューヨーク(米)
WBA世界ミドル級(スーパー)タイトルマッチ
ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン/独)
VS
ダニエル・ゲール(豪)

WBC世界ヘビー級挑戦者決定戦
ブライアント・ジェニングス(米)
VS
マイク・ペレス(キューバ/アイルランド)

 いまやミドル級近辺のスター戦線の核になりつつあるゴロフキンは、これが11度目の防衛戦となる。過去10人の刺客はすべて規定ラウンド内で退けており、今度もKO防衛となるとウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)の17、ダリウス・ミハエルゾウスキー(ポーランド)の14に次ぎ連続KO防衛記録の単独3位となる。今回のゲール戦に備えてゴロフキンはアベル・サンチェス・トレーナーと米国カリフォルニア州ビッグベアで恒例のキャンプを張り、万全を期している。29戦全勝(26KO)。挑戦者のゲールは元WBA、IBA王者で、32戦30勝(16KO)2敗の戦績を残している。適度に足もつかえる万能型といえるが、ゴロフキンの圧力を12ラウンドにわたってかわし切ることは難しいと思われる。14対1というオッズほどの実力差はないとみるが、ゴロフキンが中盤から終盤にかけて攻め落としてしまう可能性が高そうだ。ちなみに両者はアマチュア時代の01年、
大阪で開催された東アジア大会ウェルター級決勝で対戦し、ゴロフキンが15対3のポイント勝ちを収めている。
 セミではWBCのヘビー級挑戦者決定戦が組まれている。戦績は2位のジェニングスが18戦全勝(10KO)、3位のペレスは21戦20勝(10KO)1分。この試合の勝者は、秋に予定されるWBC王者バーメイン・スティバーン(ハイチ/カナダ/米)対1位デオンタイ・ワイルダー(米)の勝者への挑戦権を手に入れることになる。

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